今後5年間使う、後悔しないパソコン選び 〜Windows 10サポート終了を機に「Copilot+ PC」という選択肢〜

2025年10月14日、長年多くのユーザーに親しまれてきたWindows 10のサポートが、ついに終了します。

Windows 10の拡張セキュリティ Updates (ESU) プログラムによって、セキュリティ更新プログラムだけを1年間無償で延長して使い続けることも可能です。

これを機に、新しいパソコンへの買い替えを検討されている方も多いのではないでしょうか。

「どうせ買い替えるなら、今後5年間は快適に使い続けられる、後悔しない一台を選びたい」

そのように思ったとしても、数多くの製品が並ぶ中で、どのような基準で選べば良いのか、悩んでしまうことでしょう。スペック表の数字を比較するだけでは、未来の快適さまで見通すことは困難です。

そこで、これからのパソコン選びの新しい基準として登場してきている「Copilot+ PC」に注目してみたいと思います。

Linux MintがメインPCである私ですが、LinuxでもCopilot+ PCが有用なものとなるのか?という視点からも見ていきたいと思います。

記事の内容

Copilot+ PC とは AIのために設計された新世代PC

Copilot+ PCとは、ひと言で言えば「AIの能力を最大限に引き出すために設計された、新しい世代のパソコン」です。

これまでパソコンの頭脳と言えばCPU(中央演算処理装置)やGPU(画像処理装置)が中心でした。しかしCopilot+ PCは、それに加えてNPU(Neural Processing Unit)という、AI処理に特化した半導体を搭載しているのが最大の特徴です。

このNPUの存在が、従来のパソコンとの間に決定的な違いを生み出し、「今後5年間、後悔しない」ための重要な鍵となってきます。

主な仕様要件・例

以下は、Copilot+ PC を名乗るための主なハードウェア・仕様の例や、対象となるプロセッサモデルなどです。

項目内容
NPU 性能40 TOPS 以上。AI 処理をローカルでスムーズに行うための性能基準。
プロセッサ例Snapdragon X Elite、Intel Core Ultra シリーズ (シリーズ 2)、AMD Ryzen AI 300 シリーズ など。
メモリ・ストレージ最低限の仕様としては、16 GB メモリ、256 GB SSD などが要件として挙げられるケースがあります。
OSWindows 11。AI 機能との統合のため

Copilot+ PCの心臓部:対象となるCPUはこれだ!

上記の厳しい要件を満たす、Copilot+ PCの頭脳となるCPUは、現在以下のシリーズが発表されています。PCを選ぶ際は、これらのCPUが搭載されているかを確認するといいでしょう。

  • Qualcomm製
    • Snapdragon X Elite (スナップドラゴン エックス エリート)
    • Snapdragon X Plus (スナップドラゴン エックス プラス)
      • 現在市場に出ているCopilot+ PCの多くに搭載されており、高いAI性能と驚異的なバッテリー持続時間を両立させています。
  • Intel製 (今後登場予定)
    • Core Ultra 200V シリーズ (コア ウルトラ) (開発コードネーム: Lunar Lake)
      • 伝統的なPCメーカーの雄が投入する新世代CPU。これまでのCoreシリーズで培った高いパフォーマンスが期待されます。
  • AMD製 (今後登場予定)
    • Ryzen AI 300 シリーズ (ライゼン エーアイ) (開発コードネーム: Strix Point)
      • 高いグラフィックス性能にも定評のあるAMDのCPU。クリエイティブな作業での活躍が期待されます。

なぜ今、「Copilot+ PC」を選ぶべきなのか?

理由1:未来の「当たり前」になるAI機能を、今から最大限に活用できる

今後、Windows OS自体や様々なアプリケーションに、さらに高度なAI機能が組み込まれていきます。5年後、多くのソフトウェアがAI機能を搭載しているのが当たり前になった時、その恩恵を最も受けられるのがCopilot+ PCなのです。

理由2:Copilot+ PCでしか体験できない、革新的な独自機能

  • リコール(Recall)機能:あなたの「記憶」を呼び覚ます 過去にPC上で行った操作や表示した画面を記憶し、曖昧なキーワードからでも瞬時に探し出してくれます。まるで、PCにあなた専用の記憶アシスタントがいるような感覚です。
  • コクリエーター(Cocreator):アイデアを瞬時に「見える化」する 簡単なスケッチと指示だけで、AIがリアルタイムに本格的な画像を生成。アイデアを素早く形にする強力なツールとなります。
  • ライブキャプション(Live Captions):言葉の壁を越える PC上で再生されるあらゆる音声をリアルタイムで文字起こしし、さらに多言語に翻訳して字幕表示してくれます。

理由3:圧倒的なパフォーマンスとバッテリー性能の両立

AI処理を省電力なNPUに任せることで、CPUは本来の作業に集中できます。これにより、軽快な動作を維持しつつ、**「一日中、充電を気にせず使える」**という、新しいモバイル体験を提供します。

今後、どのようなアプリ、機能が増えていくか?(予測)

現状ではまだCopilot+ PCでできることは限られていますが、今後の発展を見据えるとNPUを搭載したPCならではのアプリケーションが増えていくものと考えられます。

1. クリエイティブ分野のアプリケーション

  • 画像生成・動画生成・編集のリアルタイム化
    生成 AI によるイラストや写真編集、動画編集の一部がクラウドではなくローカルで高速処理可能に。
    例:Adobe Photoshop / Premiere が NPU を活用してレイヤー自動分離やノイズ除去を瞬時に行う。
  • 音楽制作・音声処理
    DAW(Cubase, Ableton など)や動画編集ソフトで、AI が伴奏やリミックスをリアルタイム提案。ノイズ除去・声質変換もオンデバイスで実現。

2. ビジネス・生産性向上アプリ

  • Office 系統の AI 拡張
    Word/Excel/PowerPoint における文章生成、要約、レポート分析を PC 内で完結。
    → ネット接続が弱い環境でもスムーズに使えるようになる。
  • 会議アシスタント
    Teams や Zoom でのリアルタイム字幕+多言語翻訳、議事録要約、自動タスク抽出。
    → 法律・医療・教育など精度が求められる分野で特に需要

3. 教育・学習支援

  • 語学学習 AI チューター
    ローカルで会話練習を行い、発音・文法をリアルタイムでフィードバック。
  • STEM 教育向け AI 実験環境
    数学の証明支援や、プログラミング学習におけるコード修正の即時提案など。

4. 日常生活アプリ

  • パーソナルヘルスケア
    ウェブカメラで姿勢や表情を解析 → 健康状態・疲労度をモニタリング。
    → Recall 機能と組み合わせて「生活リズム改善」を提案。
  • スマートホーム連携
    PC がハブになり、家電・IoT 機器を自然言語で制御。

5. セキュリティ・プライバシー強化

  • オンデバイス顔認証・声認証
    生体認証や不正アクセス検出をクラウドに送らず処理。
  • マルウェア検知・挙動解析
    AI がローカルで動作をリアルタイム監視して異常を検出。

6. 将来的な方向性

  • AI エージェント型アプリ
    PC 内で常駐し、ユーザーの行動パターンを学習
    → 「この資料は自動でまとめておいたよ」「来週の会議に備えて情報を整理した」など、事前に行動する補助エージェント。
  • マルチモーダル処理
    テキストだけでなく、画像+音声+ジェスチャーを組み合わせて理解
    → 直感的なインターフェースが可能に。

LinuxユーザーがCopilot+ PCを導入する意味はあるのか?

現時点(2025年)では「Copilot+ PC = Windows 専用の AI 機能群」なので、Linux で同じ意味合いを持つわけではありません。ただし、NPU 搭載機種を Linux で使うこと自体には将来性があると思います。

Qualcomm Snapdragon X Elite/X Plus

  • Windows 向けに最適化されていますが、Linux カーネルでもサポートが進む見込みです。
  • Qualcomm はオープンソース向けに NPU SDK を提供する動きがあります。

Intel Core Ultra(Meteor Lake / Lunar Lake)

  • Intel NPU 用に OpenVINO が対応。Linux 上でも AI 推論を NPU で走らせることは今でも可能となっています。

AMD Ryzen AI シリーズ

  • ROCm(Linux 用の GPU/AI フレームワーク)と組み合わせて NPU 活用が進む可能性は大きいと言えるでしょう。

現状、私の場合、最大20b程度(gpt-ossなど)のローカルLLMをGPUを用いて快適に動作できるようにしていますが、GPUはとても高価です。

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一方で、ローカルLLMをNPUで推論」または「NPUを利用できる形で推論のパーツを動かす」技術/実験はすでに一部で実用に近い形で動き始めています。

いずれにしても NPU搭載機種がLinux環境で、今すぐ実用として便利に使えるような段階ではないので、Linux環境での導入はしばらく様子見ということになり、当面はWindows上で利用することになります。

私が購入してみたCopilot+ 対応PC

大手メーカーの場合、本稿執筆時点でのCoplilot+対応PCはノートPCが中心で、どれがCopilot+対応なのか見分けがつきにくい状況です。

まずは、NPU非搭載 or 40TOPS以下のNPU搭載機を売りさばいてしまう必要があるんでしょうね。
「Coplilot+対応」が大きく打ち出されるのは年末以降ということになるのでしょうか。

本来であれば日本HPかDellのデスクトップにしたいと思っていたのですが、まだ手頃な機種が出てきていないのでミニPCにしました。

GEEKOM AI PC A9 MAX ミニPC AMD Ryzen AI 9 HX 370AOOSTAR GT37 aiミニpc AMD Ryzen AI 9 HX 370です。

どちらもAMD Ryzen AI 9 HX 370を搭載しており、最大50 TOPSのNPU性能と総合77-80 TOPSのAI処理能力を有するNPU性能ということで購入してみたものです。

まずはWindows環境で使ってみて、環境が整ったらLinuxを入れてみたいと思っています。

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この記事を書いた人

情報環境コミュニケーションズ 代表
企業、団体のITコンサル、サポート、システム構築/管理、大学の招聘研究員として大規模調査の設計、集計の効率化、解析などを行っています。
最近ではAI開発環境の構築のサポートも行うようになってきました。
<著書>2008年〜2015年、テクニカルライターとして、週間アスキー、Ubuntuマガジン、Linux 100%, Mac 100%, Mr.PCなど多数のIT系雑誌に寄稿。

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