今回は、パソコンにLinuxMintをインストールするための手順を詳細に紹介させていただきます。
さらに、インストール後に日本語入力をできるようにし、アプリ/ソフトウェアを簡単に追加/インストールできる「ソフトウェアマネージャー」についてもご紹介します。どれもオープンソースなので無料で利用することができます。
あなたのパソコンをLinuxMintにアップグレード(?)してみるかどうか、ご判断のためにも、ぜひご一読ください。
1. 準備
まず、Linux Mintをインストールするには、以下のものを準備します。
(1)USBメモリ
Linux Mintのインストールメディアを作成するために使用します。Linux MintのISOファイルが2.7~2.8GBなので、4GB以上のものであれば大丈夫です。
(2)インターネット接続
LinuxMintのISOイメージをダウンロードするために使用します。
(3)パソコン
あくまでも目安ですが、Windows 7/8/10で動いていたパソコンであれば大丈夫だと思います。
メモリー2GBでも動作しますが、4GB以上を搭載している機種であれば複数のアプリを同時起動して切り替えながら使うことができることでしょう。
2. Linux MintのISOイメージをダウンロード
まず、Linux Mintの公式サイト(https://linuxmint.com)にアクセスし、最新のISOイメージをダウンロードします。
#バージョン22の場合、容量は約2,7~2.8GBです。
- Linux Mintのエディションには以下の3つがあります。
- Cinnamon:Windowsユーザーに馴染みやすいデスクトップ環境。
- MATE:軽量で古いPCに適している。
- XFCE:さらに軽量で、非常に古いPC向け。
オススメとしては、まずはとりあえずCinnamonエディションを入れてみるといいと思います。
3. USBメモリにISOイメージを書き込む
次に、Linux MintのISOイメージをUSBメモリに書き込み、インストールメディアを作成します。この作業には、Rufus(Windows向け)やbalenaEtcher(Windows・Linux・Mac向け)といったツールを使用します。
Macでも利用可能なbalenaEtcherの場合、こちらの公式ページからダウンロードします。
balenaEtcherをダウンロード&インストールして起動します。
USBメモリー(4GB以上)をパソコンに装着。
「Flash from file」でダウンロードしておいたlinuxmintのISOファイルを選択。
「Select target」で装着したUSBメモリーを選択。
「Flash!」ボタンをクリックして書き込みが完了するのを待ちます。
4. 完成したUSBメモリから起動
Windows 10の場合、起動している状態で、完成したUSBメモリーをパソコンに装着します。
「設定」→「更新とセキュリティ」→「回復」→「PCの起動をカスタマイズする」>「今すぐ再起動」を選択します。
現れた画面で、「デバイスの使用」をクリックし、USBメモリーの表示部分をクリックします。これでLinux Mintが入ったUSBメモリーから起動します。
パソコンをUSBメモリから起動するために、BIOSまたはUEFI設定で起動順序を変更する必要があります。
- パソコンの電源がオフの状態で電源ボタンを押した直後に
F2
、Delete
、またはEsc
キーを連打してBIOS/UEFI設定に入ります。
(このキーはメーカー/機種によって異なります。詳しくはこのページの下部に別途まとめています) - Boot(起動)タブを探し、USBメモリを優先的に起動するよう設定します。
- 設定を保存して再起動すると、USBメモリからLinux Mintのインストーラが起動します。
5. Linux Mintのインストール手順
USBメモリからPCが起動されて次の画面が出たらスタートです。
(1)Linux MintのUSB起動
「Start Linux Mint」が選ばれている状態でEnterします。
機種によってはかなり時間がかかるかもしれません。しばらく待つとLinuxMintのデスクトップが現れます。
この時点で様々なアプリケーションを試すことも可能です。ただし表示は英語となっています。(設定変更で日本語にすることも可能ですが、ここではインストールを進めていきます。)
(2)インストールの開始
インストールを開始するには左上の「Install Linux Mint」の光学ディスクアイコンをダブルクリック。
(3)日本語の選択
最初の画面でリストの一番下にある「日本語」を選択して「続ける」をクリック。
(4)キーボードの選択
キーボードレイアウトを選択します。
普通の日本語配列のキーボードであれば選択されているもので大丈夫です。
かな入力、Macの配列も選べます。英語配列キーボードの場合はEnglishを選びます。
(5)無線LANへの接続
有線LANにつながっている場合にはこの項目は表示されません。
無線LAN(WiFi)を利用して接続する場合、接続先を選んで、接続用のパスワードを入力します。
(6)マルチメディアコーデックの追加
動画、音声ファイルの再生のために、「マルチメディアコーデックをインストール」にチェックを入れます。
機種によっては「セキュアブート」のパスワード入力表示が現れますが、こちらにはチェックを入れず進めてしまっても構いません。
(7)インストール先ディスクの設定
「ディスクを削除してLinux Mintをインストール」を選んで「インストール」をクリック。
ここで「戻る」を押してインストールをキャンセルすれば後戻りできます。
「続ける」をクリックするとディスクが初期化されます。
(8)タイムゾーンの選択
タイムゾーンの選択:日本の場合、「Tokyo」のままで進めます。
(9)ログイン情報の入力
自分の情報を入力します。ログイン時のユーザー名、パスワードをここで記入します。
(10)インストールの実行
インストールを行いながら機能紹介のスライドショーが表示されます。終了するまでしばらく時間がかかります。
(11)インストールの終了
イントール作業が終了したら「今すぐ再起動する」をクリックしてパソコンを再起動します。
下の表示が出たらUSBメモリーを取り外して「Enter」を押すとパソコンが再起動されます。
Linux Mintへのログイン
インストール時に設定したパスワードを入力してログインします。
インストール直後の設定
Linux Mintのデスクトップが現れたら「始めましょう!」をクリック。
まずは「ドライバーマネージャー」を起動して追加のドライバーがないかをチェックします。nVidiaのグラフィックスドライバーなど、最適なドライバーがあれば、ここで自動で追加インストールが行われます。
続けて「アップデートマネージャー」を起動します。「近くのローカルミラーに切り替えますか?」で「はい」をクリック。
パスワードの入力を求められるのでログイン時と同じパスワードを入力。
ミラーサイトの「メイン」、「ベース」部分をクリックして日本のミラーサイトに切り替えます。これによりシステムの更新、ソフトウェアのダウンロード&インストールが速くなります。
「ここをクリックしてAPTキャッシュを更新します」をクリックします。
「アップデートをインストール」をクリックしてシステムを最新にします。しばらく時間がかかります。
なお、コマンドであれば簡単にアップデートが可能です。
「端末」を開いて次のコマンド2つだけで完了します。
日本語を入力できるようにする
この段階では表示は日本語になっていますが、日本語の文字の入力がまだできません。
スタートメニューから「設定」>「入力方法」を開きます。
出てきた設定画面で「日本語」を選択し、「インストール」ボタンをクリック。
「入力方式フレームワーク」で「Fcitx」を選択。
いったんログアウトして再度ログインします。
画面右下のシステムトレイにある「キーボードアイコン」上で右クリックし、「設定」を開きます。
下の画像のように「Mozc」が表示されてれば大丈夫。
日本語キーボードであれば「半角/全角」キー、または「Ctrl + Space」で日本語/英文字の入力切り替えができます。
日本語/英文字の入力切替のキー/ショートカットを変更したい場合、「全体設定」タブを開きます。
「入力メソッドのオンオフ」でキーの組み合わせ、他のキー(無変換、変換)などに変更することができます。
ソフトウェアの追加
「ソフトウェアマネージャー」でたくさんのアプリ/ソフトウェアを簡単に追加インストールができます。
スタートメニューから「システム管理」>「ソフトウェアマネージャ」で起動できます。
オープンソースのアプリ/ソフトウェアなのですべて無料で利用できます。
Linux Mintの世界、ぜひお楽しみください!
<補足>BIOS/UEFI設定に入る方法
Linux Mintをインストールするには、インストール用のUSBメモリーを作成し、そのUSBメモリーからパソコンを起動させる必要があります。
そのためには、BIOS/UEFI設定に入り、パソコンの起動ドライブの順序を変更し、USBメモリーを最上位にする必要があり、これが一番面倒な作業かもしれません。
厄介なことに、このBIOS/UEFI設定に入る方法が、パソコンのメーカーやモデルによって異なるのです。
今回はその方法について見ていきましょう。
メーカー別BIOS/UEFI画面に入る方法
以下に、主要なメーカー別のBIOS/UEFI設定に入るためのキーについてまとめてみました。
- Dell
- 電源を入れた後、すぐに「F2」キーを押します。
- HP
- 電源を入れた後、すぐに「F10」キーを押します。
- Lenovo
- 電源を入れた後、「F1」または「F2」キーを押します。
- Acer
- 電源を入れた後、「F2」または「Delete」キーを押します。
- ASUS
- 電源を入れた後、「F2」または「Delete」キーを押します。
- Toshiba
- 電源を入れた後、「F2」または「F12」キーを押します。
- Fujitsu
- 電源を入れた後、「F2」または「F12」キーを押します。
- VAIO
- F2キーを使用する方法
- コンピュータの電源を入れたら、VAIOロゴが表示されるときに「F2」キーを数回押す。
- ASSISTボタンを使用する方法
- コンピュータの電源が完全にオフの状態で、ASSISTボタンを押し続けると、VAIOレスキューモードが表示され、BIOS設定を起動するオプションが選べる。
- F3またはF4キーを使用する方法
- 電源がオフの状態で「F3」または「F4」キーを押しながら電源ボタンを押すことで、VAIOレスキューモードが表示され、BIOS設定を起動するオプションが選る。
- F2キーを使用する方法
これらの方法でうまくいかない場合、Google検索で調べましょう。
Google検索で調べる
「機種名 BIOS」または「機種名 UEFI」で検索することで確認できることでしょう。
パソコンをUSBメモリーから起動できるようにする
BIOS/UEFI設定画面に入ることができたら、「Boot」という項目を探し、USBメモリーを優先的に起動するように設定します。
設定を保存して再起動すると、USBメモリからLinux Mintのインストーラが起動します。
Windowsが起動した状態からUSB起動させる方法
Windows 10の場合、前述の通り、完成したUSBメモリーをパソコンに装着した状態で、以下の手順でUSBメモリーから起動させることができます。
「設定」→「更新とセキュリティ」→「回復」→「PCの起動をカスタマイズする」>「今すぐ再起動」を選択します。
現れた画面で、「デバイスの使用」をクリックし、USBメモリーの表示部分をクリックします。これでLinux Mintが入ったUSBメモリーから起動させることができます。
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