Windowsが起動不能となり使えない!Windowsアップデートの失敗でシステムやデバイスドライバーなどに損傷が起きて、運悪く起動できないくなってしまう時があります。
そんな時に備えて、使い古しのパソコンをLinuxMintで動くサブ機として用意しておくと安心です。
LinuxMintによるサブ機で、どのようにして仕事を継続することができるのか?具体的に見ていきたいと思います。
第一弾はクラウドストレージ/サービスを利用する方法です。LinuxMintにもMicrosoft Edge、Google Chromeをカンタンに追加できます。これらでかなりのことが可能になることでしょう。
Office 365ユーザーならLinux版Edgeで業務継続
Microsoft 365、便利ですよね。マイクロソフトアカウントで契約すると、MS OfficeをMacも含めて何台にもインストールして利用できます。同時使用は5台となりますが、個人であれば同時に5台以上を使用する方が難しいかもしれません。
同時にオンラインストレージとなるOneDriveの容量が1TBとなります。
そんな環境で仕事をしていてWindowsパソコンが起動不能となってしまったとき、緊急事態としてLinuxMintのサブ機でいきなり仕事ができるでしょうか?
100%とは言えませんが、ある程度ならできます。
MicrosoftではEdgeのLinux版を公開しており、LinuxMintでも利用できます。
LinuxMintに標準搭載のウェブブラウザ「FireFox」でダウンロードページにアクセスすると、Linux版がダウンロード可能です。
https://www.microsoft.com/ja-jp/edge/download

LinuxMintの場合、debian/ubuntu系のLinuxディストリビューションとなるので、「Linux(.deb)」をダウンロードします。
ダウンロードが完了したら、FireFoxの右上のダウンロードアイコンの所に表示されるインストールファイルをクリックします。

数秒待ってインストールの準備ができたら「パッケージをインストール」をクリック。

インストール中にいつものマイクロソフトアカウントでサインインします。

サインインすると、アクセス履歴、お気に入り、サイトごとのパスワードが同期されるので、普段通りに利用ができます。
EdgeでOffice365の利用
残念ながらLinuxMintではMS Officeそのものをインストールして利用することはできません。
しかし、Microsoft Edgeでhttps://www.office.com/にアクセスすることで、作成中/過去に作成したドキュメントを開いて編集することができます。もちろん新規に作成することも可能です。

Web版のOfficeはリリース当初はほとんど使い物にならなかったのですが、今では実用として使えるようになっています。フォントもOffice標準のものであればすべて使えます。
Word, Excel, PowerPoint, Outlook, Teams, OneNoteなどインストール版のOfficeと同様に利用できます。

OneDriveのファイルを開く/保存する
OneDriveと同期をしているパソコンのファイルは、クラウド上のOneDirveに保管されLinuxMintでアクセスできます。
LinuxMintにファイル/フォルダーをダウンロードして利用することも可能です。
ファイルをアップロードするときは、画面上にドラッグ&ドロップするだけです。

GoogleユーザーならChromeでさらにカンタン
Google個人アカウント、組織利用でのGoogle Workplaceを利用してGoogleのサービスをフル活用している場合、話はもっと簡単なものとなります。
LinuxMintのFirefoxでGoogle Chromeのダウンロードページ:https://www.google.com/intl/ja_jp/chrome にアクセスすることで、コマンドなど入力することなくGoogle Chromeがダウンロードできます。

インストール時にいつものGoogleアカウントとパスワードでログイン

Gmai、Googleドライブ、Googleドキュメント、Meet、チャット、フォトなど、その他、ブラウザーからアクセスすることでNotionやSlackなど、日常と同じように仕事ができることでしょう。
PDF編集ならば、iLovePDF:https://www.ilovepdf.com/ja でかなりのことができます。
LinuxMintの「ファイル」でGoogleドライブに直接アクセス可能
LinuxMint Cinnamonoではファイルマネージャーである「Nemo」でGoogleドライブに直接アクセスすることができます。設定方法について見ていきましょう。
LinuxMintのスタートメニュー>「設定」>「オンラインアカウント」を開きます。
「Google」をクリックして現れた画面で「Sign in…」をクリック。

Webブラウザーが起動し、自分のGoogleアカウントでログインします。
「すべて選択」するか、同期したい項目を選択して、一番したにスクロールして「続行」をクリック。

下記の画面が表れたら「GNOME OAuth2 Handlerを開く」をクリック。

次の画面が出たら、設定は完了。

以上により、「ファイル」を開くと「ネットワーク」欄に自分のGoogleアカウントが表示され、Googleドライブへ直接アクセスできます。
デスクトップにもGoogleドライブのアイコンが追加されます。

その場合、Web版のGoogle Driveと使い分けをするといいでしょう。
プリンターの利用で困るかも?
業務で書類を紙に印刷をするような業務の場合は、事前に確認が必要です。
プリンターのドライバーの追加が必要になる場合もあるからです。
多くの場合、LinuxMintでは同じLAN上に接続されているプリンターを自動で認識し、すぐに使うことができます。USBケーブルで接続するプリンターも、USBケーブルをつなぐだけで利用できます。呆気にとられるほど簡単です。

ほとんどの場合、うまくいくのですが、機種によってはうまくいかない場合もあります。
プリンターによっては、ドライバーソフトウェアを追加でダウンロード&インストールが必要な場合があります。
一方で、プリンターによってはドライバーソフトウェアのLinux版が作られていない場合があります。また、Linux版を公開していてもインストール/設定が複雑で難しい場合もあります。
プリンターがLinuxMintに対応していない場合、印刷はあきらめてWindowパソコンが復旧するのを待つしかない場合もあるわけです。
#作成した書類をPDFで保存してネットプリントでコンビニで出力、という方法であればLinuxMintでも、もちろん可能です。
Windowsでしか使えないソフトウェアは?
先ほどのMicrosoft Office以外にも、特定の業務用アプリケーションやゲームなど、LinuxMintでは動かないソフトウェアがあります。
企業向けの特定の会計ソフトなどはWindows特定の機能やAPIに依存しているため、他のOSでは動作しません。
Linux上でWindowsのソフトウェアを実行できる「Wine」というアプリケーションがあります。しかし、すべてのアプリケーションが動作するわけではありません。特に、.NET Frameworkを必要とするアプリケーションやデバイス制御を行うアプリケーションには制限があります。
このように、一部の専門的なソフトは利用できないものもあります。
さいごに
以上、見てきた通り、OneDriveやOffice365, Googleドライブなどのクラウドストレージ/サービスを普段から利用していれば、Windowsパソコンが起動不能となったとしても、すぐにサブ機のLinuxMintで仕事を継続することが可能となります。
一部のソフトウェアは稼働できないものの、仕事における大部分をLinuxMintで行うことができることでしょう。
机の上のスペースが許されるならば、普段から2台を併用して使い分けをしておくといいと思います。使っていると「おっ!、LinuxMint使える!」と思えることが随所に出てくるかもしれません。
もしかすると、LinuxMintの使いやすさにハマって、私のようにLinuxMint機がメインになってしまうかも?しれません。
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