Intel N150搭載の317g、掌に乗る超小型PCがLinux Mintで超快適

AmazonでIntel N150 CPUを搭載した薄型ミニPCを購入してみました。技適マークもあり、デフォルト搭載のWindows 11はちゃんとOEM版ですので安心して使えます。

6.7インチのiPhone 16 Plusと比べて2回りほどの掌に乗る大きさで、重さは317gとコンパクト&超軽量。
タッチパッド付の折り畳みキーボードとモバイルモニターとの組み合わせで持ち運んで使えるようにしてみています。

このミニPCにLinux Mint22.2を入れて使っているのですが、これが快適!その様子をレポートさせていただきます。

記事の内容

製品のスペック

製品名:Overclock 4CミニPC 12th N150

  • CPU:Intel N150 (最大3.6GHz)
  • RAM: 16GB (DDR4 1スロット、最大32GBを搭載可能)
  • SSD: 512GB
  • 初期OS:Windows 11 Pro (OEM版)
  • TDP 7Wという低消費電力ながら、従来のN5105/N5095 CPU比で35%以上の性能向上

裏蓋の4本のネジを外すとSSD(M.2)、メモリーの交換が簡単に行えます。

ポートも充実しており、3つのモニターに接続可能です。
電源はUSB Type-Cなので、付属のACアダプター以外でも稼働が可能です。

デュアルブートにしてみた

いつもだと、まっさらなSSDを換装して、Linux Mintをインストールするようにしているのですが、この機種はデュアルブートにしました。

512GBのSSDを搭載したモデルを選んだので、Windows 11とLinux Mint 22.2を約半分ずつで200GBあまりを確保できています。

4K動画の編集/書き出しはキビしいものがありますが、HD動画であれば、特にストレスなく使えています。
数千行のスプレッドシートでの作業や画像を多用したプレゼンの作成など、わりとヘビーな業務も問題なし。
Google Chromeでタブを20~30開いて作業をしても、(Chromeにデータセーバー機能が搭載されたこともあってか)、ストレスはありません。

Webアプリ程度の開発であれば問題ありませんが、さすがにコンパイル言語(Rust, C++)での大規模ビルド、Androidアプリ開発はエミュレータそのものが重いこともあって、Ryzen 7以上が欲しいなぁと思います。

いずれにしても、3年前に購入したN100搭載のミニPCと比べて、明らかにパフォーマンスが向上している事が体感できており、何よりも6Wという超低消費電力でここまでできてしまうことに驚いています。

Intel N系プロセッサの比較

アマゾンではInel N系プロセッサを搭載したリーズナブルなミニPCやノートPCがたくさん販売されていますが、違いがよくわからなかったので表にまとめてみました。

性能の序列(目安)

  • CPU処理能力: N97 ≒ N150 > N100 ≒ N95 >>> N50
  • グラフィック: N97 > N150 > N100 > N95 ≒ N50
  • 省エネ性能: N50 ≒ N150 ≒ N100 > N97 > N95

性能的にはN97のグラフィックス性能の高さと比べて迷いましたが、総合的にN150ということで決めました。と同時に、N97搭載の機種も欲しくなってしまっています。

LinuxMintで運用している上での特長

ファンレスによって無音である今回の「Overclock 4CミニPC 12th N150」をLinux Mintで使ってみている上での特長を下記の通りまとめてみました。

① N150の「進化」を最も享受できる

N150はN100に比べ、グラフィックスの最大速度が約33%向上(750MHz → 1000MHz)していることを実感しています。

  • Linuxでの恩恵: Linux Mintのデスクトップ描画(Cinnamonなど)がより滑らかになり、YouTubeの4K再生などの負荷も下がるような感じです。WindowsよりもOS自体が軽いため、この性能向上をダイレクトにアプリの快適さに回せるのではないでしょうか。

② ファンレスでも「遅くなりにくい」

Windows 11の場合だと、アイドル時でも裏で何らかのプロセスが動き続け、CPU温度を上げてしまいます。
ファンレスPCでは、熱がこもるとCPUが速度を落とす(サーマルスロットリング)現象が起きがちです。

  • Linuxでの恩恵: アイドル時の負荷がほぼゼロに近いため、発熱を最小限に抑えられます。「いざ重い処理をする」という時までCPUが冷えた状態を維持でき、N150の3.6GHzというトップスピードを長く維持できるのではないかと思っています。

③ サーバー兼クライアントとして最強

N150は待機電力がスマホ並みに低いです。そこで、普段はPCとして使いつつ、使わない間も電源を入れっぱなしにして「ファイルサーバー」や「広告ブロックサーバー(Pi-hole)」として裏で動かし続けたとしても、電気代は月数十円レベルとなりそうです。

N150をLinux Mintで使う際の注意点

Linuxではいつもそうなのですが、新しいCPU(パーツ)だとドライバの問題が発生してしまうことがあります。

Twin Lade世代となるN150の場合でも同様です。

カーネルバージョンの壁: N150の内蔵GPUを正常に動かすには、Linuxカーネル 6.9以上(またはそれに準ずる最新ドライバ)が必要という報告があります。

古いバージョンのLinux Mintの場合、Linuxのカーネルが古いままだと画面描画が「ソフトウェアレンダリングモード」になり、かえって動作が重かったり、画面の輝度調整ができなかったりします。

まずは端末で「uname -r」とコマンドを打ってカーネルのバージョンを確認。

カーネルが6.9よりも古い場合、いつもの次のコマンドでシステムを更新します。

sudo apt update
sudo apt upgrade

システムのアップデートを行い、カーネルを最新版にした上で再起動することで改善されることでしょう。

AMD Ryzenとの比較

Intel N100をはじめとする「Nシリーズ(Alder Lake-N)」は、現在ミニPC市場を席巻していますが、AMDにもこれに対抗するラインナップは存在しています。

ただし、Intelが「省電力専用の設計」で作っているのに対し、AMDは「モバイル用プロセッサの廉価版」を充てているため、性格が大きく異なるようです。

Intel NシリーズとAMD Ryzen(Uシリーズ)の最大の違いは、消費電力(TDP)と設計思想にあるようです。

【Intel N100 / N150】

  • 「無音(ファンレス)」にこだわりたい場合はIntelです。
  • 24時間つけっぱなしのサーバーにしたい(電気代を極限まで安くしたい)。
  • 用途は動画視聴、ブラウジング、テキスト入力がメイン。

【AMD Ryzen (5560U / 7320U)】

  • 「同じ値段なら、少しでも速いほうがいい」というコスパ重視派にはAMDがいいと思います。
  • Linuxで開発をしたり、軽いゲーム(ドラクエ10やマイクラなど)も動かしたい場合。特にRyzen 5 5560U5825Uを搭載したミニPCであれば、N100を買うより性能的な満足度は遥かに高いと思います。
  • どうしても稼働状況によってはCPUは高温になりますので、ファンレス=無音、というわけにはいかないのではないでしょうか。

最後に

以上、スマホよりも2周りくらい大きくて、大容量のモバイルバッテリーより軽いPCにLinux Mintをデュアルブートでインストールして使ってみている様子をご紹介させていただきました。

その昔、Intelベースのスティック型PCを、珍しさで購入しあまり使わなかった、という経験があります。

仕事がクラウドベースとなった現在、かなり使えるシーンは多いかな、と思っております。

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この記事を書いた人

情報環境コミュニケーションズ 代表
企業、団体のITコンサル、サポート、システム構築/管理、大学の招聘研究員として大規模調査の設計、集計の効率化、解析などを行っています。
最近ではAI開発環境の構築のサポートも行うようになってきました。
<著書>2008年〜2015年、テクニカルライターとして、週間アスキー、Ubuntuマガジン、Linux 100%, Mac 100%, Mr.PCなど多数のIT系雑誌に寄稿。

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