悪質・巧妙化する国際電話詐欺と電話番号偽装の仕組み:+876, +252, +255などの電話番号には要注意!

以前から横行している詐欺電話。その手口はますます巧妙化・悪質化しています。今回は+876XXXXXXXという番号から、2025年6月2日に私宛に実際にかかってきた電話の手口が巧妙だったので共有させていただきます。「+」で始まる電話は要注意。

長い内容になりますが、重要な情報は上の方にまとめており、技術的内容については後半で簡単に解説させていただいていますので参考までにご覧ください。

記事の内容

まずは知っておきたい!「+」で始まる電話番号には注意

着信した電話番号が「+」で始まる場合は注意が必要です。この「+」は、国際電話の国番号を示す記号 です。

特に、以下の国番号は国際電話詐欺(ワン切り詐欺や国際ワンクリック詐欺)が以前より多く利用され、被害が頻発しています。

  • +876(ジャマイカ)
  • +252(ソマリア)
  • +255(タンザニア)
  • +53(キューバ)
  • +224(ギニア)など

今回、私宛にかかって来た電話は、女性の声(AIではない)で録音されたもので次ようなものでした。

「こちらは日本信用情報機構です。あなたが利用しているクレジットカードに未払いがあるので、心当たりの方は1番を押してください」

おそらく言われるがままに「1番」を押してしまうと、どうなるのでしょうか?

1」番を押してしまったら起こり得ること

1,詐欺グループと直接通話がつながる
 ・「1番を押す」という行為で、システムが「応答可能なターゲット」として認識します。
 ・自動音声が終わり、オペレーター(詐欺犯)につながります。
 ・そこで、個人情報(名前、住所、カード番号など)の確認を装い、詐取を試みます

2,個人情報を聞き出されるリスク
 ・「未払いがあります」「支払いが必要です」「確認のためカード番号を教えてください」などと持ちかけられます。
 ・名前、住所、生年月日、カード番号、暗証番号、キャッシュカードの暗証番号まで聞き出そうとすることがあります。
 ・一度でも情報を渡すと、即座に悪用される可能性が高いです。

3,番号リストへの登録
 ・「1番を押した」ことで、自分の電話番号は「応答した番号(優良なターゲット)」として、詐欺グループ内でリスト化され、今後も繰り返しターゲットにされる可能性があります。

4,有料番号への誘導は?
 ・1番を押しただけで高額な通話料金が発生することは通常ありません(日本の通信システムでは「番号押下=通話課金」にはならない仕組みです)。
 ・ただし、オペレーターと長時間通話を続けさせ、高額な国際通話料金を発生させる手口もあるようです。
 ・したがって「1番を押す → オペレーターと話す → 長時間話す → 高額通話料」という流れで被害に遭うケースも考えられます。

どう対応/対策すればいい?

1,絶対に情報を渡さない
 ・氏名、住所、カード番号、暗証番号、銀行情報など、一切答えない

2,着信をブロックする
 ・該当番号(+876…)をスマホで着信拒否します。

iPhoneの場合、着信履歴からブロックしたい電話番号で「発信者を着信拒否」をタップします。

3,通信会社に相談
 ・もし通話料の請求が心配なら、ドコモ・au・ソフトバンクのサポート窓口で通話明細を確認してもらう。

4, 万が一、情報を教えてしまった場合は
 ・カード会社に即連絡し、カード停止と再発行
 ・個人情報保護委員会への相談https://www.ppc.go.jp/)。

日本信用情報機構(JICC)について

  • JICCは信用情報機関で、一般個人に直接「未払いがあります」などと連絡することはありません
  • クレジットカードの未払いについては、カード会社(例:JCB、三井住友、楽天カードなど)から直接通知が来ます。
  • つまり、この電話は 100%詐欺 と言えるでしょう。

今後の対応策

1,折り返しはしない

相手が本当に必要なら、再度連絡してくるはずです。

2,着信拒否を設定する

スマホでかかってきた電話を着信拒否しましょう。

3,通話明細を確認する

携帯会社のマイページなどで国際通話料金が発生していないか確認します。

4,不審な場合は携帯会社に相談

国際通話詐欺に関する相談窓口があります。連絡先などはこの記事の下部にまとめてありますのでご参照ください。

次に、国際電話詐欺のグループが電話番号を偽装(スプーフィング)する仕組みについて、簡単にまとめてみました。参考でにご覧ください。

電話番号偽装(スプーフィング)の仕組み

VoIP(インターネット回線の電話)を悪用

  • 詐欺グループは通常、Twilio、AsteriskなどのVoIP(Voice over IP)サービスを使用します。
  • これは、インターネット経由で電話をかける技術で、発信元の番号を自由に設定できるシステムを悪用しています。
  • たとえば、日本の市外局番、ジャマイカの国番号(+876)、アメリカの番号など、好きな番号を表示させることができる仕組みです。

専用のシステムを使用

  • 詐欺グループは、安価なVoIPサービスに加えて、スプーフィング用の専用ソフトウェアやクラウドサービスを使っています。
  • これにより、発信時に「見せたい番号」を指定できるため、あたかもジャマイカの番号からかかってきたように偽装できるのです。実際の発信元は、全く別の場所(詐欺グループの拠点など)となります。

合法サービスの悪用も

  • 実は、海外では合法的に「発信者番号を指定できるサービス」があります。これらを悪用することで、詐欺グループは容易に偽装番号を作ります。
  • たとえば、ビジネス用途で「会社の代表番号」を表示するためのシステムが、悪用されるケースもあるようです。

安価な発信コストで多量発信

  • 数千件単位で自動発信し、引っかかった人からの折り返しで利益を得ます。
  • 通話先が国際プレミアム回線の場合、高額通話料金の一部が詐欺業者に支払われます。

なぜジャマイカ(+876)の番号が多いのか?

  • ジャマイカやカリブ諸国は、日本の携帯会社が国際通話料金を高く設定している地域が多いです。
  • そのため、数秒でも通話が成立すると高額な通話料金が発生し、詐欺グループがその一部を受け取れる仕組みになっている場合があります。いわゆる「プレミアム通話詐欺(国際ワン切り詐欺)」というものです。

さらに予防意識を高めるために

  • 国際電話の「ワン切り詐欺」は毎年のように報告されています。
  • たとえば総務省や警察庁も、以下のように警告しています: 「不審な国際電話に応答しない、折り返しをしない」
    「家族や高齢者にも注意喚起を」
  • 家族や友人にも「知らない国際番号からの電話は危険」という意識を共有すると安心です。

警視庁 特殊詐欺関連ホームページhttps://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kurashi/tokushu/furikome/furikome.html

警視庁:みんなでとめよう!国際電話詐欺
https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/sos47/case/international-phone

  • 警察相談専用電話(#9110)
    迷惑電話や詐欺被害について、全国の警察署の相談窓口につながります。
  • 消費者ホットライン(188)
    消費生活センターにつながり、トラブル対応のアドバイスを受けられます。

携帯電話会社の国際電話詐欺相談窓口

NTTドコモ

  • 迷惑電話相談センター(迷惑電話ストップサービス)
  • その他
    • 国際サービス問い合わせ(不審な国際電話に関して):0120-005-250(通話料無料)

KDDI(au)

  • 迷惑電話相談窓口
    • 電話番号:0077-7089(通話料無料、au携帯からのみ)
    • 受付時間:9:00~18:00(年中無休)
  • au国際サービスセンター(国際電話関連の相談)
    • 電話番号:0077-75470(au携帯・一般電話から、通話料無料)
    • 受付時間:9:00~20:00(年中無休)
  • 迷惑メッセージ・電話ブロックサービス(詳細ページ)

ソフトバンク

  • 迷惑電話・メール相談センター
    • 電話番号:0800-919-0416(通話料無料)
    • 受付時間:9:00~20:00(年中無休)
  • 国際電話サービス問い合わせ
    • 電話番号:0800-919-0045(通話料無料)
    • 受付時間:9:00~20:00(年中無休)
  • 迷惑電話ブロックサービス
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この記事を書いた人

情報環境コミュニケーションズ 代表
企業、団体のITコンサル、サポート、システム構築/管理、大学の招聘研究員として大規模調査の設計、集計の効率化、解析などを行っています。
最近ではAI開発環境の構築のサポートも行うようになってきました。
<著書>2008年〜2015年、テクニカルライターとして、週間アスキー、Ubuntuマガジン、Linux 100%, Mac 100%, Mr.PCなど多数のIT系雑誌に寄稿。

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