Geminiの革新的機能「Deep Research」とは?AIに調査からレポート作成まですべて任せることが可能に

新製品の市場調査に時間がかかる…」「提案先の企業分析をもっと効率的に行いたい…」
ビジネスパーソンなら誰もが抱える情報収集とレポート作成の悩み。

もし、この作業をAIにすべて任せることができたら、どれだけ業務が効率化するでしょうか?

実は、それを可能にする革新的な機能がGoogleの生成AI「Gemini」に搭載されています。
それが「Gemini Deep Research」です。

記事の内容

Gemini Deep Research:Web検索とレポート作成を自動化するAI

従来の生成AIは、事前に学習した膨大なデータの中から回答を生成していました。しかし、「Gemini Deep Research」は全く異なります。

Deep Researchとは生成AIが、事前に学習された情報のみならずWeb検索も実施して最新の情報を集め、高度な調査とそのレポート作成をしてくれる革新的機能です

つまり、リアルタイムでインターネット上を検索し、最新かつ信頼性の高い情報を収集・分析した上で、構造化されたレポートまで自動で作成してくれるわけです。

いろいろな企業情報を調べたり、市場調査をしたりするのに非常に活用できるツールとなり、これはまさにリサーチ業務のゲームチェンジャーと言えるでしょう。

Deep Researchを実際に使ってみる

使い方はとてもほどシンプルです。

  1. Geminiの画面で「Deep Research」を選択します。
  2. プロンプト入力欄に、調査したい対象を入力し、実行します。

たったこれだけで、Geminiは自動的に調査計画を立案し始めます。

「リサーチを開始」をクリックすると、Geminiはインターネット上から関連情報を収集し、分析を開始。
数分から十数分後には、詳細なレポートが完成します。

さらに、レポートをワンクリックでGoogleドキュメントにエクスポートすることができます。

Googleドキュメントなら、サイドペインのGeminiを呼び出して(右上部の星アイコンをクリック)プロンプトで依頼することで要約を作成したり、文章量を半分などにしたり、修正したい部分を選択して追加で編集することもできます。

編集完了後はMicrosoft WordやPDFファイルとしてダウンロードできます。
もちろん、参照したWebサイトのソース(出典)も全て明記されているので、ファクトチェックも容易です。

インフォグラフィックスで視覚的に

今回試しに生成されたレポートは、27ページ、3万文字に及ぶ分量となりました。

これをすべて読むのは大変なものとなりますが、「作成」>「インフォグラフィック」で視覚的にわかりやすくすることができます。

HTMLのコードで生成されているので、ホームページなどで公開したり、キャプチャしてプレゼンに利用することも可能です。

まるでポットキャスト:音声解説

「作成」>「音声解説」で、まるでポッドキャスト番組のように男女2名の掛け合いで5分〜10分程度の音声解説にすることができます。抑揚、テンポ、間合いなど、すごいなぁと思います。

音声ファイルはダウンロードが可能です。下に埋め込んでみましたので試しに聴いてみてください。

参考動画と裏技

今回は、Googleのエバンジェリストであるにわさんと生成AIのエキスパートエンジニアの山口さんが解説している動画を参考にさせていただきました。この動画では、Geminiの「Deep Research」の機能を用いて、ビジネスで最大限に活用するための方法がわかりやすく説明されています。

00:00 ダイジェスト・ご挨拶 
00:56 Gemini Deep Researchとは?
01:49 Gemini Deep Researchの使い方
04:02 Gemini Deep Reseaerchで企業分析
07:28 より意図に即した調査をするためには
11:21 ChatGPTのDeeo Research との違い
12:38 プロンプトをGemini に作らせる
14:13 まとめ

NI−WORKチャンネル:https://www.youtube.com/@NI-WORK

より精度の高いレポートを得るためのプロンプト術

簡単なキーワードだけでも強力なDeep Researchですが、その真価は「プロンプトエンジニアリング」でさらに引き出せる、ということが、この動画でとても参考になりました。
より意図に即したレポートを得るためには、詳細な指示を与えることが重要なんですね。

1. 自分だけの「調査プロンプトのひな形」を作る

自分だけの「調査プロンプトのひな形(テンプレート)」を作成しておくことで、毎回同じ品質で、必要な情報を網羅したレポートを得ることが可能となることが紹介されています。

動画内では企業情報について調査を行う例なのですが、以下のような項目をプロンプトに含めることで、調査の質と網羅性が格段に向上するという事例です。

  • 会社概要: 基本情報、事業内容など
  • 社長や経営層の発信: ブログ、SNS、インタビュー記事から企業の将来展望や価値観を把握
  • 中期経営計画: 公表されている計画や成長戦略を調査
  • ビジネスモデル: 収益源、主要な事業プロセス、強み・弱みを分析
  • 競合企業・ベンチマーク企業: 主要な競合を特定し、比較分析
  • 採用ページの口コミ: 従業員の評価や企業文化を把握

自分のプロンプトのひな形に(調査項目を)足していくと、一発で精度の高い回答が得られるようになるわけなんですね

2. プロンプトをGeminiに作らせる裏ワザ

さらには、「どんなプロンプトを作ればいいか分からない…」という場合、GeminiにDeep Research用のプロンプト自体を作らせてしまう方法まで紹介されています。

例えば、通常のGemini Advanced(2.5 Pro)で次のように尋ねるわけです。

「今から特定企業の業績、競合会社、課題について提案するために調査したい。どのような情報を調査すればいいか、また、そのためにDeep Researchでどのようなプロンプトを打てばいいか提案して」

すると、Geminiは調査に必要な項目と、それを実行するための詳細なプロンプトの例を生成してくれます。
これをコピーしてDeep Researchにかけるだけで、専門的な調査が実現できるというわけです。
これはとてもいい方法を教えていただきました。

まとめ

Gemini Deep Researchは、これまで多くの時間を費やしてきた情報収集とレポート作成のプロセスを劇的に変えるものとなっています。

  • 簡単な指示だけで、AIが最新情報をWebから収集し、詳細なレポートを自動作成してくれる。
  • 生成されたレポートはGoogleドキュメントにエクスポートでき、すぐに二次活用できる。
  • インフォグラフィックスや音声解説でより理解しやすいメディアに変換も簡単。

AIに調査を任せることで、より創造的で付加価値の高い仕事に集中できますね!

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この記事を書いた人

情報環境コミュニケーションズ 代表
企業、団体のITコンサル、サポート、システム構築/管理、大学の招聘研究員として大規模調査の設計、集計の効率化、解析などを行っています。
最近ではAI開発環境の構築のサポートも行うようになってきました。
<著書>2008年〜2015年、テクニカルライターとして、週間アスキー、Ubuntuマガジン、Linux 100%, Mac 100%, Mr.PCなど多数のIT系雑誌に寄稿。

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