「アプリ開発に使っているこのプロセス、もしかして原稿執筆にもそのまま使えるんじゃないか?」
そんな直感的な気づきから、この記事は始まりました。
最近、私はAIコーダーである「Antigravity」(Google DeepMindによって設計された、自律的にプロジェクトの構造を理解しタスクを完遂する「エージェント型」のAI開発アシスタント)を使い倒して、いくつものアプリを開発してきました。複雑な仕様を整理し、タスクを分解し、一つずつ実装を積み上げていく、、、。その洗練された開発プロセスを経験する中で、ふと気づいたのです。
「このやり方を執筆に持ち込めば、最強の執筆環境が作れるはず」
むしろ、コーディング用に最適化されたAIの思考プロセスを執筆に転用した方が、これまでのどんな執筆ツールよりも筆が進む。そんな「アジャイル執筆術」の驚くべきメリットをご紹介します。
Google Antigravityとは?
Google DeepMindが設計した、次世代の「エージェント型」AI開発アシスタント(IDEツール)です。

単なるコード補完にとどまらず、プロジェクト全体の構造を自律的に理解するのが最大の特徴。曖昧なアイディアから論理的な「実装プラン」を組み立て、タスクを分解し、コードの記述までを自律的に完遂してくれます。
ユーザーの「スペア脳」として論理の矛盾を指摘したり、対話を通じて思考を整理したりしてくれるため、人間は面倒な作業から解放され、より創造的な「設計」や「構想」に集中できるようになるツールです。
1. 文章は「人間向けのコード」である
コードには文法があり、ロジックがあります。もし論理にエラー(バグ)があれば、プログラムは動きません。
実は、文章も全く同じだと思うのです。
読み手という「コンパイラ」が文章を読み解く際、論理が飛躍していたり、言葉の定義が曖昧だったりすると、そこで解読が止まってしまいます。つまり、読後の「納得」という実行結果が得られないのです。
Antigravity(AIコーダー)が得意とするのは、厳密な論理構築であると感じています。
「この主張の根拠が不足しています」「前後の文脈で矛盾が生じています」
そんなAIの鋭い指摘を受けることで、文章はどんどん「堅牢(ロバスト)」になっていくわけです。
AIを「論理的デバッガー」として使う。これが最強の推敲術となるのではないでしょうか。
2. フワフワした「想い」を、確かな「言葉」に変える
執筆において最もはがゆいのは、自分の中に「伝えたい想い」はあるのに、それが言葉として出てこない瞬間です。
Antigravityは、単にコードを書く機械ではありません。こちらの断片的な言葉や、フワフワとしたイメージを投げかけると、それを汲み取って一つの筋道だった論理へと組み上げてくれます。
「自分はこう感じているんだけど、どう言えば伝わるだろう?」

そんな問いかけに対し、Antigravityは自律的に背景(コンテキスト)を理解しようとし、自分の「スペア脳」として適切な言葉を提示してくれます。自分自身の内側にある言語化できない熱量を、読み手に伝わる「形」に変換してくれる。この「共同での言語化プロセス」こそが、AIをパートナーにする最大の喜びかもしれません。

3. 執筆を「マイクロタスク化」してハードルを下げる
真っ白な原稿用紙を前に筆が止まる最大の理由は、それが「一つの巨大すぎる山」に見えるからです。
Antigravityを使った開発プロセスでは、常に task.md というチェックリストを使います。
「〇〇機能を実装する」「△△のバグを直す」
これと同じことを、執筆でも行うことができます。

執筆を「マイクロタスク」にまで分解し、一つずつチェックを入れていく。
「完了」のチェックが増えていくリズムが、止まっていた執筆の慣性を呼び起こしてくれます。
もはや「書く」という重い作業ではなく、リストを「消化する」という軽快なプロセスに変わるのです。
4. 「設計図(プラン)」が先、執筆は「実装」
いきなり一文目を書き始めるのは、設計図なしに家を建てるようなものです。私の場合、いつもここで迷子になってしまいます。
Antigravityとの執筆では、まず implementation_plan.md(実装プラン)から始めます。

- この記事で最も伝えたい結論は何か?
- 各章でどのようなエピソードを配置するか?
- 読者に、どのようなアクションを起こそうと思ってもらうか?
まずこの「論理の骨組み(アーキテクチャ)」を設計し、AIと完成イメージを共有する。
一度設計図ができあがれば、あとはそれに沿って「実装(執筆)」していくだけです。このフローを踏むことで、「何を書くべきか」という迷いが消えて、執筆スピードが劇的に向上しています。
5. 執筆は「リファクタリング」だ
プログラミングの世界には「リファクタリング」という言葉があります。
動作を変えずに、コードをより綺麗に、読みやすく整える作業のことです。
執筆においても、最初から100点の美文を目指す必要はないわけです。
まずは「動くコード=意味が通じる最低限の下書き」を書き上げる。
そして、Antigravityと一緒にリファクタリングを繰り返すわけです。
「もっと簡潔な言い回しはない?」
「ここ、もう少しエモーショナルに表現にして」

AIと一緒に言葉を磨き上げていくプロセスは、孤独な執筆作業を「共同開発」というエキサイティングな体験に変えてくれます。

6. Googleドキュメント×Antigravity:最強の使い分け術
これまで私は、執筆には主にGoogleドキュメントを使ってきました。
どこからでもアクセスできる機動力、そしてGeminiによる用語解説や文字校正は、原稿を「美しく整える」ために欠かせない機能です。
では、Antigravityとの違いはどこにあるのでしょうか?
一言で言えば、Googleドキュメントが「ペンと用紙の最高峰」なら、Antigravityは「執筆の構造を組み上げる開発環境(IDE)」です。
- Googleドキュメント(Gemini): 移動中の隙間時間での執筆や、完成間近の原稿をブラッシュアップするのに最適です。Geminiは「言葉の背景」を補い、読みやすく整えてくれます。
- Antigravity: アイディアが形になっていないゼロの状態から、論理的な骨組みを作り、タスクに分解して「書き切る」までのプロセスを管理するのに向いています。
家を建てる時に、いきなり内装(文章の美しさ)を考えず、まずは頑丈な基礎と柱(論理構造)を作る。
その「設計と建築」のフェーズをAntigravityが担い、心地よい住居に仕上げるプロセスをGoogleドキュメントが担当する。
この二つを使い分けることで、執筆のストレスは大幅に軽減されています。
まとめ:書くことは、作ること。
「書くことがない」「アイディアが浮かばない」、、、
そう嘆いていた私が、Antigravityを使うことで「執筆を楽しむエンジニア」に変わりつつあります。
文章を書くことは、私の思考を言語化し、誰かの心という「システム」を動かすためのプログラムを書くことと同じことのように思えています。
Linux MintへのAntigravityのインストール手順
Linux版のダウンロードページ=https://antigravity.google/download/linuxで、Linux MintはDebian,Ubuntu系なので、deb-based Linuxの方となります。
まずは、Google Antigarabityのリポジトリ(ダウンロード先のサーバー)を登録します。
端末を開いておいて、5行の文字列をマウスで選択します。
端末上でマウスの中ボタン(スクロールボタン)をクリックすると、文字列がペーストされます。これをダイナミックペーストといいます。便利ですよね。
Enterするとパスワードを聞かれるので入力。これによりアップデートがあった場合にシステムなどと一緒にアップデートされるので便利です。

続いて端末上で次を入力してEnter.
sudo apt update
続けて次のコマンドでダウンロードからインストールまでが自動で行われます。
sudo apt install antigravity
初期設定はオススメの設定通りに行っていけばいいと想います。
テーマを選びます。

自分のGoogleアカウントでサインインします。

日本語化
メニューの全てを網羅してはいませんが、日本語化するには左サイドのアイコンの一番下をクリック。
検索窓で「japanese」で検索。「Japanese Language Pack….」のInstallボタンをクリック。Antigravitiyをいったん再起動するとメニューの多くの部分が日本語化されます。



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