無線LAN親機を追加したらインターネットが遅い、つながらない場合に「ブリッジモード」を試してみる

無線LANが遅いので改善したい」というご相談と並んで多いのが、NTTなどの光回線を利用している方が、無線LAN親機を増設してみたけれど、「インターネットが異様に遅い」、「そもそも、つながらない」というもの。

今回は典型的なトラブルの一つとなる対応策ということで、無線LAN親機の「ルーターモード」と「ブリッジモード/アクセスポイントモード」を切り替えてみる方法について見ていきたいと思います。

この記事の内容

2台の通信機器の機能のぶつかり合い?

「光」などのブロードバンド回線に契約し、開通工事をする際に、工事業者がボックスを設置していきます。(下の画像の右側です。)

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無線LANを使いたいときには、別途、無線LAN親機を購入して増設することが多いです。(上の画像の左側が無線LAN親機です。)

今回ご紹介するトラブルは、NTTなどの回線事業者により提供された機器と、無線LAN親機、それぞれが持つ機能がぶつかり合ってしまう場合の事例です。

両方の機器には、インターネットに接続するだけではなく、事務所内、家庭内でパソコン、タブレット、スマートフォンなどを便利に使うための機能が豊富に搭載されています。

これら2つの機器が搭載する機能がいくつか重複しており、機能がぶつかり合うことで、ネットが遅い、ネットにつながらないというトラブルが生じてしまう場合があります。

確認しておくべきこと

回線事業者が設置した機器の方に、「ルーター機能」があるかどうかを確認します。

#NTT光などに、ここ数年のうちに加入した場合、「ルーター機能」付きの機器がほとんどです。

#ADSLやケーブルTVなどで古くから利用している場合、設置されている「モデム」には、ルーター機能が搭載されていない場合があります。この場合、次の記事をご参照ください。

無線LAN親機をブリッジモード、APモードに

トップ画のように、無線LAN親機が「ROUTER」モードになっていると、ネットが遅い/重い、だけでなく接続が途中で途切れたり、そもそもインターネットに接続すらできないトラブルの原因となってしまう場合があります。

理由は後述するとして、回線事業者が設置した機器に「ルーター」機能がある場合、一番手っ取り早い解決方法としては、無線LAN親機をブリッジモードまたはAP(アクセス・ポイント)モードにすることです。

#最近の無線LAN親機に付属する説明書は、簡易化が図られてしまっており、このあたりの説明が十分ではない事が残念です。

その方法は、バッファロー社の無線LAN親機の場合、次のページに方法が写真付きで機種ごとに説明があります。

多くの無線LAN親機には、背面/底面にモードの切り替えスイッチがあります。

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(画像:Buffalo社上記ページより流用)

このスイッチでBridge(ブリッジ)、AP(アクセスポイント)などに切り替えます。

面倒なのが切り替えが「ボタン式」の場合です。

2015-10-22_113958

(画像:Buffalo社上記ページより流用)

ボタンを押すごとにモードを変更するのですが、これがとても分かりにくいです(;_;)。説明をよく見て機種ごとの設定をしていただければと思います。

トラブル原因1:ダブルルーター(二重ルーター)

「ルーター」とは、空港での出入国審査のような役割をもっています。

旅行者が出入国の際にパスポートを提示して審査を受けるように、通信の”素性”を審査するような役割を持ちます。

2台の機器の両方で、この「ルーター」の役割をもってしまうと、この”審査”が二重に行われてしまうようなことが起こります。

実際の空港でこうなると、審査を待つ列がかなり長くなってしまい渋滞が起こります。

このようにして、ネットが遅く/重くなってしまいます。

トラブル原因2:DHCPサーバー機能の重複

最近の、NTTなどの回線事業者により提供される機器と、無線LAN親機は、「通信専用コンピュータ」とも言えるもので、コンパクトなボックスに「サーバー機能」が搭載されています。

その機能の中の一つとして、IPアドレスを自動で割り当てる「DHCPサーバー」機能を持っています。

このDHCPサーバー機能はとても便利な機能で、一本のインターネット回線を、事務所内/家庭内で、パソコン、タブレット、スマートフォンなどの複数の機器で使えるように、それぞれの機器にIPアドレスを自動的に割り当てます。

回線事業者により提供される機器がDHCPサーバー機能が作動して各機器にIPアドレスを割り振っているところに、無線LAN親機側のDHCPサーバー機能が作動してしまうと、間違ったアドレスが割り振られてしまいます。

これが、LAN内のパソコンなどが、インターネットに接続できなくなる原因の一つとなります。

無線LAN親機を「アクセスポイント・モード」、「ブリッジ・モード」にすることで、このDHCPサーバー機能もオフにすることができます。

無線LAN親機はWiFi接続だけに徹してもらいましょう

要は、インターネット接続に関しては、「回線事業者により提供される機器」に任せて、無線LAN機器には余計な事はせんでよし、ただ単に無線LANにつなげるだけの仕事をしてくれればいい・・・というのが「アクセスポイント・モード」、「ブリッジ・モード」となるわけです。

「Auto」モードの場合、停電後に困る場合も

「インターネットにつながらなくなった」、というトラブルの対応で多いのが、原因をお聞きしてみると、停電、電気のブレーカーが落ちてしまった後に起きてしまった事が多いものです。

無線LAN親機の説明書通り、「Autoモード」になっている時によく起きます。

「Autoモード」の場合、まずはブロードバンド・モデムが再起動し、インターネットに接続されてから、ルーターを起動させる必要があります。

先に無線LANルーターが起動してしまい、ブロードバンド・モデムが遅れて起動してしまうと、正しく動作しない場合があります。

特に、前述のようなモードの切り替えが「ボタン式」の場合にはとても厄介。

たとえ「ブリッジ・モード」にしていても、停電が起きると、無線LAN親機が再起動後には、初期設定の「Autoモード」になってしまいます。「ブリッジ・モード」への変更は、とても分かりにくく面倒です。

#Buffalo社も多くのクレームに対応したのか、最新機種では「ボタン式」から簡単な「スイッチ切り替え式」に変更しているようです。

以上の手順で無線LANの設定画面が表示されないとき

以上のようにして、無線LAN親機をブリッジモード/APモードにしてしまうと、IPアドレスが標準の「192.168.1.1」などから変更となってしまい、ブラウザで無線LANの設定画面にアクセスしようとするときに、IPアドレスがわかりづらくなってしまいます。

対応策について、新たに書きましたので、合わせてご参照ください。

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