今回は、お寄せいただいたリクエストに応えて、iPhoneでのテザリング、3つの方法について詳しく見て行きたいと思います。
テザリング=Tetheringとは、iPhoneなどのスマートフォンを使って、パソコンなどをインターネットに接続させる方法。
iPhoneの場合、「5」以降で利用可能となっており、(1)Wifi形式、(2)USBケーブル、(3)Bluetoothの3つの方式で接続ができます。
それぞれの方法を詳しくみてみましょう。
(1)Wifi方式でのテザリング
1,iPhoneの「設定」アプリを開き、「インターネット共有」をタップ
2,「インターネット共有」のスイッチをタップして緑色にして有効にします。
3,「”Wi-Fi”のパスワード」をタップして、パスワードを設定します。半角英数字で8文字以上で入力します。
*パスワードは、上記画面のような単純なものではなく、類推されないものにしましょう。
4,パソコン側で普通のWifiへ接続する方法と同様に、以下の手順で接続します。
画面右下のパネル内にあるネットワークアイコンをクリック。
「○○○○のiPhone」をクリックし、「接続」ボタンをクリック。
パスワードを求められるので、iPhone側で設定しておいたパスワードを入力します。
接続されると、iPhoneの画面上部に青い帯が現れ、接続状態がわかります。
インターネット共有の利用状況が表示されます。
この状態で、パソコン上でインターネットを利用できるようになっています。
OOKLA SPEEDTESTで、通信速度を計測してみると、下りが10Mbps近く、上りは8Mbps程度という結果でした。
(2)USBでのテザリング
3つのテザリング方法の中で、通信速度が一番速い接続方法となります。
1,この方法で接続するにはパソコンに「iTunes」をインストールしておく必要があります。
2,iTunesが入っているパソコンのUSBポートにiPhoneをケーブルでつなぎます。
3,iPhoneの「設定」アプリを開き、「インターネット共有」をタップ
4,「インターネット共有」のスイッチをタップして緑色にして有効にします。
5,Windows 8.1の場合、パソコン側に次のような案内が出たら「はい」をクリックします。
通知領域のアイコンの形がLAN接続と同じものになります。
通信速度テストでは、Wifi形式での接続とくらべて下りの速度は10Mbpsを超える結果となりました。(なぜか上りはWifi形式の半分程度と、遅い結果となりました。)
この方式には2つの大きな欠点があります。まずは、外出先などでパソコンを電源なしで使う場合、iPhoneへの給電も兼ねるのでPCのバッテリーを消費してしまう点です。
2つ目としては、オフィス、自宅や出先でLANやWifiに接続したとしても、iPhone経由での通信を継続してしまいます。このまま利用し続けて動画の参照、大規模ファイルの送受信を行っていると、あとで述べる「通信量制限」の容量にすぐに達してしまいます。
外出から戻るなどして、通常のLANやWifiに接続した状態でiPhoneをUSBケーブルにつなぐ場合には、iPhoneの「設定」アプリをタップして、「インターネット共有」を「オフ」にすることをお忘れなく。
(3)Bluetoothでのテザリング
前の2つの方法と比べると、通信速度は大幅に落ちますが、1,パソコン、iPhone共にバッテリーの消費が少ない、2,「通信制限容量」をさほど気にせず使えるということで、私が常用している方式です。
1,iPhoneでBluetoothを有効に
「設定」アプリを開き、「Bluetooth」をタップ。
左の画像のように、Bluetoothを有効にします。
2,Bluetooth機能を搭載したパソコンとiPhoneをペアリング
Bluetooth機能を搭載したパソコンで、画面右下の通知領域のBluetoothアイコン上で右クリック。
「Bluetoothデバイスの追加」を選びます。
Bluetooth管理画面が開いて、一覧にiPhoneが表示されたら、アイコン部分をクリックします。
「ペアリング」をクリック。
パソコン側には「パスコード」が表示されます。
iPhoneにも同じパスコードが表示されます。
双方のパスコードが一致していることを確認して、PC上で「はい」をクリック、iPhone側では「ペアリング」をタップします。
「上の画像のように「接続済み」と表示されればOK。
3,パーソナルエリアネットワークへ参加
再度、パソコンの通知領域のBluetoothアイコン上で右クリック。
「パーソナルエリアネットワークへの参加」をクリック。
iPhoneのアイコンが表示されます。
このアイコン上で「右クリック」。
「接続方法(C)」>「アクセス ポイント(A)」を選びます。
「接続に成功しました」という表示がでて、通知領域のネットワークアイコンが下記の画像のように表示されたら接続完了。
通信速度はWifi形式、USBケーブルに比べると大幅に低下しますが、ホームページの閲覧程度であれば、何とか我慢できるレベルでしょうか。
この方式の便利な点は、一度ペアリングをしてしまえば、iPhoneを「インターネット共有」を有効にしていれば、カバンの中に入れたままでもネット接続ができる点です。
また、この通信速度であれば、動画の再生などは厳しいので、外出先では必要最低限の作業に限定されるので通信量の制限をあまり気にすることもありません。
通信量の制限に注意
私が契約しているソフトバンクのプランの場合、通信量の制限として、3日間に1GB以上、あるいは1ヶ月間に7GB以上使うと通信速度が大幅に低下するペナルティが課せられます。
iPhoneの通信状況を確認するために便利なのが「テザリング使いすぎ予防」ツール「通信量チェッカー」というアプリです。
直近3日間、1ヶ月間の通信量を、表示してくれます。特に便利なのがキャリアごとの契約内容を設定しておいて、残量の表示をビジュアルでわかりやすく表示してくれる点です。
無用な通信を防ぐための設定
テザリングを初期設定のままで利用していると、ストアアプリの自動更新、Windowsのアップデートや、Windows 8以降の場合、OneDriveのファイルの同期、Windowsの各種設定の同期などが、裏で通信を行ってしまいます。
これらを防ぐためには、「従量制課金接続」の設定をチェックします。
スタートメニュー内にある「PC設定」(ギア・アイコン)を開いて「PCとデバイス」>「デバイス」を開きます。
「従量課金接続でのダウンロード」が「オフ」になっているかどうか確認し、もしも、オンになっていたら、オフに切り替えます。
次に、同じく「PC設定」(ギア・アイコン)のメニュー一覧から「OneDive」を開き、「従量制課金接続」を選びます。
上の画像の通りすべての項目をオフにするといいでしょう。