パソコンの動作が不安定な時の対応策について、下記にまとめています。
こちらのまとめは、不具合はありながらもパソコンの起動は可能で、何とか動作できている時の対処法です。
一方で、パソコンに重大なエラーが発生し、起動さえもができなくなってしまった時に、元のシステムに戻す方法としては「リカバリー・メディア」でパソコンを起動させる方法が旧来からありますが、最近のパソコンには「リカバリー・メディア」の作成機能が搭載されていないものが多くなっています。
代替のものとして、Windows 10に備わっている「回復ドライブ」機能で、USBメモリーを回復ドライブとして作成しておいて、パソコンが起動不能となった時に、このUSBメモリーからパソコンを起動させて、元のシステムに回復させる手順についてみていきたいと思います。
回復ドライブの作成
「回復ドライブ」として利用できるのはUSBメモリーです。システムの状況によって4GBで収まる場合もありますが、8GB以上のものを用意しておけばいいと思います。
まずは用意したUSBメモリーをパソコンに挿入しておきます。
スタートメニューを右クリック。「コントロールパネル」を開きます。
「システムとセキュリティ」>「セキュリティとメンテナンス」と辿って、「回復(R)」をクリック。
「回復ドライブの作成」をクリック。
次のような「ユーザーアカウント制御」画面が出るので「はい(Y)」を選んで進めていきます。
「システムファイルを回復ドライブにバックアップします。」にチェックが入った状態で「次へ」をクリック。
システムのどのファイルを格納するかをチェックする間、時間がかかる場合があります。
チェックが完了したら、「USBフラッシュドライブの選択」」画面の「使用可能なドライブ」としてUSBメモリーのドライブレターが表示されます。
間違いないことを確認して「次へ」をクリック。
「作成」をクリックすると、実際に作成作業が始まります。
これによりUSBメモリーの中身はすべて消去されます。
作成作業はかなりの時間を要します。1時間ほどで通常は終了しますが、2時間以上かかることもあります。
次のような画面が出たら回復ドライブの作成は完了です。
作成したUSB回復ドライブは、PCが起動できない時に備えて、わかる場所に保管しておきましょう。
私の場合、封筒に入れて機種名、作成日などをメモしておいて保証書などと一緒にファイルして保管しています。
USB回復ドライブからの起動
パソコンが起動できなくなってしまったとき、作成しておいたUSB回復ドライブからパソコンを起動させることになります。
多くの機種では電源投入直後に「F12」キーを何度か押す事で「Boot Manager」画面が現れて、どれからパソコンを起動させるかを選ぶことができるようになっています。
機種によって方法は異なりますので取り扱い説明書を確認しておきましょう。
まずは、USB回復ドライブをパソコンに装着した状態で電源ボタンを押します。
上の例では、電源ボタンを押してすぐにキーボードの「F12」キーを数回押して現れた「Boot Manager」で、上下の矢印キーを用いて「USB HDD:Generic Flash Disk」を選んでいます。
この状態で「Enter」キーを押すことで、USB回復ドライブからパソコンが起動できます。
最初に「キーボードレイアウトの選択」画面が出ます。
左上の「Microsoft IME」を選びます。
個人作成ファイル/データを残したい時
「トラブルシューティング」を選択。
まずは、「このPCを初期状態に戻す」を試してみましょう。
「個人用ファイルを保持する」を選んで進めることで、自分で追加でインストールしたアプリは消えてしまいますが、個人で作成したファイル/データは残ります。
パソコンをまっさらな状態に戻したい時
パソコンをまっさらな状態に戻したい時は、「トラブルシューティング」を選んだ上で、次の画面で「ドライブから回復する」を選びます。
「ファイルの削除のみ行う」を選べば比較的短時間で済みます。
パソコンを他人に譲渡する際など、ドライブの内容を完全に消去し復旧ができないようにするには「ドライブを完全にクリーンアップする」を選びます。
画面に表示される内容をよく確認した上で「回復」ボタンをクリックします。
以上の手順でパソコンのハードウェア/部品に問題がなければ、USB回復ドライブを作成した時点のシステムに回復させることができます。
回復作業が完了したら、「スタートメニュ」>「設定」>「更新とセキュリティ」でWindows Updateを行うことでシステムを最新のものにしておくといいでしょう。
さて、以上の手順でシステムの回復ができない場合は、システムドライブなどのハードウェア/部品にトラブルがある事が考えられます。