Windows 8.1から「PIN」によるサインインが可能となっていますが、Windows 10では、パソコンにサインインする際に、Microsoftアカウントを用いることに加えて、パスワードに代わって「PIN」によるサインインが推奨されるようになっています。
PINとは4桁以上の数字による、いわゆる暗証番号で、これによりパソコンの起動時にパスワードの代わりに、あらかじめ設定しておいた数字を入力することで、ラクにサインインできるようになります。
今回は、PINによるサインインが何故推奨されるのか?、そしてその設定方法について見ていきます。
何故PINなのか?
結論から言うと、「大元のパスワードがバレないように、使わない」ようにすることが理由となるものと思われます。
Windows 10では、従来のようなローカルアカウントでのログインも可能ではありますが、標準では「Microsoftアカウント」を用いることが前提となっています。
このMicrosoftアカウントは、パソコンへのサインインの他にOneDrive, Outlook.com, Office365, Windowsストアでのアプリの購入など、さまざまなサービスへのサインインに共通して用いられます。
Microsoftアカウントの「パスワード」は、インターネット上で用いられ、クラウド上に格納されます。
これは、もしも、のぞき見などで、パスワードを盗まれてしまった場合、一つのアカウントとパスワードによって、他の端末からも、重要なファイル/データにアクセスできてしまうことを意味します。
PINは手軽なのにより安全
一方で、PINは、「パソコンのサインイン」だけに利用されます。前述のOneDriveなどのネットサービスの利用時では直接には用いられません。
たとえPINを盗まれてしまったとしても大丈夫です。
悪意を持った第三者が自分の端末にPINを入力しても、ネット経由でパソコンにサインしたり、インターネットサービスにアクセスすることはできません。
ネット犯罪/マルウェア対策としても有効
最近、銀行からオンラインバンキングの画面とそっくりな偽物のログイン画面で、パスワードを盗むことが横行していることに関する注意喚起が盛んに行われています。
同様に、メールの添付ファイルを開いたらWindowsのサインイン画面が表示されて、そこにパスワードを入力してしまうことで、パスワードが盗まれてしまう、というような「マルウェア」も考えられます。
このような方法で、悪意のある第三者にパスワードを盗まれてしまうことで、個人のデータ/コンテンツ、メール、クレジットカードの課金情報などにアクセスされてしまう恐れが生じます。
しかし、パソコンへのサインインの際に、普段からパスワードを用いずにPINを用いるようにすることで、うっかりパスワードが漏洩してしまうことを防ぐ手段の一つとなり得ます。
繰り返しとなりますが、PINは設定したパソコンでしか使えません。ネット犯罪を目論む第三者がたとえPINを盗み出しても、使いみちが無いことになります。
サインイン時にPINを用いるための設定
前置きが長くなりましたが、パソコンへのサインイン時にPINを用いる設定について見ていきましょう。
「設定」>「アカウント」>「サインインオプション」を開きます。
「PIN」>「追加」をクリックします。
Microsoftアカウントのパスワードを求められるので、入力し、「サインイン」をクリックします。
「PINのセットアップ」画面が出たら、PIN(暗証番号)として用いる4桁以上の数字を決めて入力します。
(1111, 1234などの簡単な数字は設定できません。)
勤務先/学校アカウントでのPINの設定
個人用のMicrosoftアカウントの他に、勤務先、学校などの組織でOffice 365などで別のアカウントを用いている場合、別途「勤務先PIN」を設定できます。
「設定」>「アカウント」>「サインインオプション」の「勤務先PIN」で、「追加」をクリック。
職場または学校アカウントで指定されたアカウントとパスワードを入力して「サインイン」をクリック。
「今すぐセットアップ」をクリック。
セキュリティを確保し、安全な認証のために「二段階認証」が行われます。
まずは、IDの保有者が本人であることが確認されます。
本稿では、利用中の携帯電話/スマートフォンで「テキストメッセージ」を用いる方法でご紹介していきます。
「テキストメッセージ」を選びます。
過去にアカウントを作成した時に設定した携帯電話/スマートフォンの電話番号が自動で表示されます。
「次へ」をクリック。
携帯電話/スマートフォン宛てに、メッセージが届き、その中に数字による「セキュリティ コード」が記載されているので、その数字を現れた画面に入力して「次へ」をクリックします。
4桁以上の数字によるPIN(暗証番号)を決めて、入力します。
個人用のものと同一でも問題ありません。確認用の入力も終えたら「OK」をクリック。
以上の設定により、パスワードではなくPINを使ってOffice 365, OneDrive for Businessなどの各種サービスにアクセスし、安心して利用できるようになります。
PIN(暗証番号)を変更したいとき
PINを変更したい場合には、「設定」>「アカウント」>「サインインオプション」画面で「変更」ボタンをクリックして現れた画面で変更設定ができます。