いつもならIT機器を買うときには用途/目的があって購入するのですが、$76ドルという価格に惹かれてしまい、ついつい興味本位で購入してしまったのが「NEXBOX T10 Mini PC」。
Intel Atome x5 Z8500というクアッド・コア CPUを搭載している手のひらサイズのMini PCで、クアッドコア=4 core、すなわち4つのマイクロプロセッサーで処理を分担/分散することで性能が高くなる、という寸法。
一昔前ならばデカくてバカ高かったマルチコア・プロセッサーも、今ではスマホにまでオクタ・コア=8コアが載る時代。感慨深いものがございます。
購入してから2か月ほど。実際に使っている様子をご紹介させていただきます。
購入したのは、香港から電車で40分ほどで行ける巨大IT都市、広東省深セン市にあるネットショップGearBest.com。
日本円に換算しても8,000円を切る価格となる約77ドルで購入。
NEXBOXというブランドで、Androidベースの”TV Box”と、Windowsベースの”Mini PC”が販売されています。
*ちなみに、Androidベースの”TV Box”はさらに安くなります。ブランドは違いますが同様のものを下記の記事でご紹介しています。
私がいつも取り寄せが必要な商品ばかり注文してしまっているからなのかも知れませんが、GearBest.comの場合、品物が発送されるまでに1週間ほどは待たされます。その点、GeekBuying.comの方が迅速だなぁと感じています。
DHLで余分に送料払って、12日目にようやく到着。
- 左側からワイヤレス キーボード/マウスのUSBドングル。
- 黄色い線がLANケーブル。
- HDMIケーブルが付属しており、モニターと接続。HDMIケーブルであれば音声も一緒に出せるので、シンプル。
- 付属の電源アダプターで、5Vを共有
USBポートは2.0が3つ、3.0が1つ。加えてマイクロUSBポートも一つあります。マイクロSDカードスロットには、64GBのカードを挿しています。
本体のサイズは、11.7cm四方で厚みが約2cm。重さはたったの210gほど。
まさに掌に乗るパームトップ・コンピュータです。
NEXBOX T10の性能は?
インテル社のモバイル向けCPUは、Atom x3/x5/x7に整理されるようになっており、この中で主にタブレットでの使用が想定されている「x5」のZ8300というCPUが搭載されています。
メインメモリーは2GB DDR3L RAM
日本語環境では4GBが欲しいところですが、メモリーが足りなくなった時に備えて、仮想メモリーとして、内蔵ドライブの一部となる約3GBが確保されるようになっています。
内蔵ストレージは32GB eMMC ROM。
基板に埋め込まれているマルチメディアカードなので、増設は無理ですが、消費電力が低く、コンパクト。
SSD程ではありませんが、ハードディスクよりも処理速度は速くなっています。
いずれにしても、32GBで全てを賄うのはつらいかも知れません。
タブレットと同じように、システム系はメインストレージに、ファイル/コンテンツはMicroSDを使うことで、無理なく使用できています。
無線LAN(aには不対応)、Bluetoothも利用可能です。
ウチの会社では、スティックPCも使っています。
*詳しくは次の記事も併せてご覧ください。
スティックPC「DG-STK1B」、買って良かった!今のAtomの性能を甘く見すぎてました。
3Gグラフィックスを多用するゲームや映像編集は無理がありますが、このスティックPC同様に、一般的なビジネスユースとしてWebの利用、MS Officeでの書類作成などであれば十分な性能を有しています。
ストレージの状態をこまめにチェックする必要がある点を除けば、ビジネスユースとしても十分に利用できると思います。
逆に、ネットワーク/クラウド端末として割り切れば、超省スペース/低消費電力PCとして、十分実用になりそうです。
中身を開けて見てみた
本体をひっくり返して、4スミにある脚の部分の保護の丸いパーツを剥がすとプラスドライバーのネジが現れます。
ネジを外して裏蓋を開けると、基板の裏側が現れます。
基板を固定している3本のネジを外すと、基板の表面を裏返して見ることができます。
ほとんど大部分がCPUのヒートシンクで覆われています。
USBメモリーからの他OSの起動も可能
USBメモリーからのブートも可能です。Linuxからの起動もできました。
手順は以下の通りです。
「設定」>「更新とセキュリティ」>「回復」>「PCの起動をカスタマイズする」と、たどり、
「今すぐ再起動する」をクリック。「トラブルシューティング」>「詳細オプション」>「UEFIファームウェアの設定」で、UEFI画面が現れます。
「Boot Manager」を選んで、EFI USB Deviceを選ぶことで、USBメモリーなどからの起動が可能となります。
このPCが古くなってしまった頃には、現在使っているサーバー類の老朽化が進んでいることになるので、OSをLinuxに入れ替えてサーバーとしても利用できそうです。
もしも、別途、サーバーが必要になったら、これ(あるいは同等品)を買い足してもいいかもしれません。
緊急時の端末として使用
前述のスティックPC DG-STK1Bは、初代機ということもあって、排熱効率が良くないようで、かなり熱が籠ってしまい直接手で持つことができなくなってしまうほどです。
一方、このNEXBOXは多少温かく感じる程度。低消費電力ということもあって、常時稼働の端末として利用することもできそうです。
ウチの場合、超コンパクトであることを活かして、他のスティックPC/MiniPCと併せて、トラブル発生時に備える代替え機として用いることにしました。
お客様のPCの修理対応でしばらくお預かりせざるを得ないときなど、代替え機としてお使いいただけるようにしておこうと思います。
とはいえ、常時眠らせておくのももったいないので、普段は、仮想化のテスト環境として使おうと思っています。