パソコンをネットワーク越しにリモート操作する方法は昔からいくつもあって、Windowsではおなじみの”リモートデスクトップ”もその一つ。マイクロソフト社が開発し、RDP(Remote Desktop Protocol)という通信規約が公開されており、Macやスマートフォンなどでも利用可能となっています。
今回は、Mac側からWindowsを遠隔操作してみたいと思います。
この時に問題となるのがキーボード。特に、日本語と英語入力モードの切り替えに難があります。苦し紛れながらも、解決方法を見てみましょう。
また、MacとWindowsのデスクトップ画面を1台のパソコンで瞬時に切り替えながら作業ができる方法についても見ていきたいと思います。
MacからRDPプロトコルでリモートデスクトップ接続が可能なアプリ
Mac向けの遠隔操作アプリは多数あります。RDPプロトコル対応のものもいくつかある中で、本家Microsoft謹製のものがあるので使ってみましょう。
「Microsoft Remote Desktop」という名称のアプリで、App Storeから無料で入手できます。
MacBook Airで、このMicrosoft Remote Desktopアプリを使ってWindows PCにリモート接続すると、まるでMacがWindows機になったかのような感覚で使うことができます。
MacBook Airだと内蔵のストレージ容量も小さいので、Boot Campでデュアルブートにするのは難しいものがあったりするのですが、リモート好きな私としては、このような使い方をしております。
このアプリをダウンロード&インストールしておけば、クライアントとなるMac側の準備は終わりです。
Windows側の下準備
サーバーすなわちネットワーク(LAN内)経由でリモート操作される側のWindows側の設定を詳しく見ておきましょう。
Windows 10の場合、残念ながら「Home」エディションはサーバーにはなれません。
「Pro」版、または「Enterprise」エディションである必要があります。
Windowsスタートメニュー(Windowsアイコン)を右クリックして現れるメニュー一覧から「コントロールパネル(P)」を選択。
サーバー:Windows PCがスリープしないように設定
まずは念のため、リモート操作中にパソコンがスリープしてしまわないように設定しておくといいでしょう。
コントロールパネルが開いたら、「ハードウェアとサウンド」>「電源オプション」を開いて、「プラン設定の変更」を開いて「コンピューターをスリープ状態にする」を一覧から「適用しない」を選択/変更します。
「変更の保存」をクリックすると設定が反映されます。
リモートアクセスされるのを許可
次にコントロールパネルの検索窓で「リモート」と検索して「このコンピューターへのリモートアクセスの許可」をクリック。
新しい画面が出たら「リモートデスクトップ」欄の「このコンピューターへのリモート接続を許可する(L)」にチェックを入れます。
「ネットワークレベルの・・・」のチェックは本来入っていた方がいいのですが、外しておいたほうが面倒がないかと思います。
サーバー:Windows PCのIPアドレスを調べておく
コンピュータ名でもリモートアクセスはできますが、IPアドレスであれば確実です。
まずは確認しておきましょう。
コントロールパネルのホームの「ネットワークとインターネット」の「ネットワークの状態とタスクの表示」をクリック。
左ペインの「アダプターの設定の変更」をクリック。
接続中のネットワークのアイコン上で右クリック。「状態(U)」をクリック。
「詳細(E)…」をクリック。
「IPv4アドレス」の「値」をメモしておきます。
以上でサーバー側の準備は完了です。
MacからWindowsへアクセス
Mac上で「Microsoft Remote Desktop」アプリを起動します。
バージョン表示などの案内がでます。「Close」をクリック。
アプリが起動したら、 左上の「+ New」アイコンをクリック。
- 「Connection Name」にはWindows PCの名前などを。
- 「PC name」に、先ほど調べておいたWindows PCのIPアドレスを入力。
- 「User name」に、Windowsのユーザー名を
- 「Password」に、Windowsのログイン時のパスワードを入力。
いったん、ウィンドウ左上の赤のクローズボタンをクリックして閉じます。
設定がリストとして加わっているので、この部分をクリック。
認証に関する注意事項が出ます。「Continue」をクリック。
画面いっぱいにWindowsのデスクトップが現れます。
マウスを画面最上部分に当てるとMacのメニューが現れて、あれこれ操作ができます。
Macのウィンドウ左上の緑のウィンドウリサイズボタンで、ウィンドウサイズを拡大/縮小して調整することができます。
これは便利!「Mission Control」でMacとWindowsのデスクトップを瞬時に切り替える
Macの標準機能である仮想デスクトップ「Mission Control」を使えばMacとWindowsのデスクトップ画面を切り替えながら作業ができてとても便利です。
Mission Control を開く方法
- Dock または Launchpad で Mission Control のアイコンをクリック。
- Multi-Touch トラックパッドまたは Magic Trackpad で、3 本指または 4 本指で上にスワイプ
- Magic Mouse の表面を 2 本指でダブルタップ
- 「control」+「 ↑ 」
以上のいずれかの操作でMission Controlが開きます。
画面上部右端に現れる「+」をクリック。
仮想デスクトップが追加され、サムネイルが画面上部に増えます。
増やした仮想デスクトップのサムネイルをクリックして、「デスクトップ2」に切り替えます。新しい仮想デスクトップ上で「Microsoft Remote Desktop」アプリを起動させます。
再び、「control」+「 ↑ 」など、上記のいずれかでMission Controlを呼び出して、画面上部に現れる「デスクトップ1」、または「デスクトップ2」のサムネイルをクリックすることで、仮想デスクトップ画面を切り替えることができます。
「Microsoft Remote Desktop」アプリは、ただ単にWindowsパソコンの”デスクトップ”画面だけをリアルタイムに表示されているだけです。
処理は接続先のパソコンで行われるので、Mac側の負担はとても少なくて済むことになります。
文字入力「日本語/英文字」切り替えの設定
MacからWindowsへリモートデスクトップ接続した時に一番不便なのがキーボード。日本語/英文字の切り替えです。
もちろんマウスで画面右下の文字入力モード部分をクリックして「あ」と「A」となるように切り替えればいいのですが、面倒。
せめてMacのキーボード上で切り替えくらいはしたいものです。
もっといい方法があるかも知れませんが、以下は私の場合の例です。
「あ」または「A」部分を右クリック。「プロパティ(R)」を選びます。
「詳細設定(A)」をクリック。
「編集操作」欄の「キー設定(Y)」の右端の「変更(D)」をクリック。
上部の「キー設定」タブを選択。
私の場合ですが、「キー」一覧から「Shift+SPACE」を選んで「入力/変換済み文字なし」の部分をクリックして現れる「機能選択」画面で、「IME-オン/オフ」を選択。
「OK」ボタンをクリックして設定を反映させます。
以上により、Macのキーボード上で「Shift+Spaceキー」を押すことで日本語/英文字の入力モードの切り替えができるようになります。
それぞれ好みに合わせてアレンジしていただければと思います。
以上のようなカンジで、私の場合Boot Campによるデュアルブートは行わず、Windowsは常時起動させておいて、どうしても使わざるを得ない時にはリモート接続で使うようにしています。
次の記事もあわせてご覧ください。
社内(ローカルエリアネットワーク=LAN内)でリモート接続を行う方法
- MacからWindowsをリモートコントロール(今回の記事)
- WindowsからMacのデスクトップをリモート操作。仮想デスクトップで瞬時に切り替え
社外(ローカルエリアネットワーク=LAN外)からリモート接続を行う方法