メーリングリスト、メールマガジンの他、様々なインターネット・サービスに登録したり、ネットで買い物をしたりすると、意図しない案内・広告メールが送られてきます。SNSやセキュリティなどの通知もメール経由。
下手をすると業務の多くをメール対応に追われることも。
最近ではSlackやHangouts Chatなど、ビジネスチャットも一般化して来ており、社内やプロジェクトメンバー内でのコミュニケーションに積極的に利用されるようになってきてはいますが、対外的にはメールは今でも重要な連絡手段です。
このようなメールで生産性を低下させないために強力なツールとなるのがGmail。5G時代を間近に控えたこの時期に合わせて、2015年に書いた記事を大幅に修正してみたいと思います。
ビジネスメールの実態
一般社団法人 日本ビジネスメール協会という団体が「ビジネスメール実態調査2018」を公表しています。
ポイントは以下のような感じでしょうか。
- 仕事で使っている主なコミュニケーション手段の第1位は「メール」(96.50%)
- 約半数の人が「パソコン」と「スマートフォン(iPhoneなど)」を併用
- メールソフト第1位は「Gmail(G Suiteを含む)」(38.36%)
- 1日の平均は送信「11.59通」、受信「34.30通」
- メールを1通作成するのにかかる平均時間は「5分」(36.92%)
送信約12通 × 5分=60分。一日の労働時間の1時間をメールに費やすことになるわけです。
チャットと違って体外的に使う場合が多いので、慎重になりますしね。
さて、メールソフト第1位で4割近くのシェアとなっているGmail/G Suiteでも連休で休みを取ったりして、その前後に忙しかったりすると未読が溜まります。
メールによってビジネスの生産性はかなり高まりましたがまだまだ。
雑巾を絞れば水が滲み出てくるみたいに、まだまだ様々な機能を”絞り出す”ことができそうです。
情報の「フロー/ストック」、そしてゴミの仕分けが簡単なGmail
経済用語で「フロー/ストック」があります。収入や支出などは「フロー」、資産などは「ストック」となるわけですが、メールでやり取りされる情報も同様。
大切なお客様対応、意思決定のために重要ですぐに対応が必要な重要メールが「フロー」です。一方で、今すぐには役立たないけれど貯めて置くことでいつかは役に立つかも知れないメールは「ストック」しておきたいものです。
旧来型のメーラーではこの「ストック」がなかなか難しい。パソコンの容量そして処理能力によりできることが限られます。
”ネットの向こう側”で処理をしてくれるGmailでは、パソコンの負荷は画面表示だけ。無料版でもGoogle Driveなどと合わせて15GB、G Suiteビジネス/エンタープライズ版であれば、容量無制限(5名以上のユーザ)となります。
膨大な量のメールの中からキーワードで目的のメールを瞬時に探し出せるのはGoogleならではです。いくらでもストックしておく事ができるわけですね。
メールの場合、困ってしまうのが迷惑メールや物品購入などで知らぬ間に送られてくるメール。このような”ノイズ”を自動的に排除してくれるのもGmailの便利な点です。
特長を見ていきましょう。
「フィルター」機能で、メールを自動で振り分け。重要なメールだけを「受信トレイ」に残す。
広告やメールマガジンなど、たくさんのメールが溢れて来た時、その整理だけでも大変。
Gmailなら、自動的にメールにラベルをつけて分類できるので、重要なメールだけを「受信トレイ」に置くことができます。
*「フィルタの使用」について詳しくはこちらをご覧ください。
(参考記事)溢れかえるGmailの受信トレイを「メールの自動振り分け設定」でスッキリ!
「フォルダー」より便利な「ラベル」での分類
旧来のメールソフトでは、メールの分類に「フォルダー」が用いられています。この場合、一通のメールをどのフォルダーに入れるか迷ってしまうことがあります。
「ラベル」方式を採るGmailでは、1通のメールに、「重要」、「要処理」、「報告」、「売上」など、いくつもの「ラベル」を付けて分類することができ、様々な角度から重要なメールを探し出せるようになります。
*最近、この作業も面倒なので、あまり使わなくなってしまいましたが、「ラベルの使用」について詳しくはこちらをご覧ください。
あらゆるメールを一元で管理
個人用、会社用、趣味用など、いくつもメールアドレスを使い分けている場合でも、Gmailで全てを一元管理して、同じ画面上から送受信ができます。
(参考記事)Yahoo!メール、Nifty、OCNなどからGmailに乗り換えて、全てのメールをGmailで一元化して送受信できるようにする
パソコン、スマホ、タブレットでも同じように送受信できる
出先でも、自宅でも、オフィスと同じようにメールの送受信ができます。電車で移動中に、重要なメールにはスターマークをつけておいて、事務所で対応することも可能です。
そして何よりも”ノイズ”を消していくようにしています。スマホならばメールタイトルを左右どちらかにスライドさせるだけで「アーカイブ」ができます。
「アーカイブ」と強力な検索機能
Gmailの大きな特長として「アーカイブ」機能があります。読み終えたメールは「アーカイブ」ボタンをクリックすると「受信フォルダー」に表示されなくなります。しかし削除はされません。
メールをゴミ箱に捨てるのではなく、机のすぐ横においておく”何でもとりあえず保管ボックス”みたいな役割を果たしてくれる「アーカイブ」。廃棄ではなく保管となるわけです。
大容量のGmailであれば、読み終えたメールを捨てずに長期間保存しておくことで、個人のデータベースが自動的に蓄積されていくようなものとなります。
大量に溜まった保管ボックスの中を一つ一つ探し回る必要はありません。キーワード検索で必要なメールにすぐにたどり着くことができます。
高機能、高速度、高精度で定評があるGoogleの検索エンジンで蓄積したメールを捨てずに取っておいても、キーワード検索で素早く探し出して再利用することも簡単です。
(参考記事)Gmailへ他のメールから移行した時の最初の作業:大量のメールを一括で既読にし、アーカイブする
*メールのアーカイブについて詳しくはこちらをご覧ください。
パソコンの故障、盗難/紛失の場合でも、新しいパソコンで、すぐにメールを再開
パソコンが盗難に遭ったり、紛失したり、故障し新しいパソコンを買った場合でも、メールアドレスやメール文面の移行などは行わずに、Gmailにアクセスすれば、メールの送受信がすぐに再開できます。大切なメールのデータは、「ネットの向こう側」に保管されています。
*ただし、情報漏洩を防ぐため、Googleのアカウントを「2段階認証」にし、パソコン自体のパスワード管理を行うなど、セキュリティ対策をしっかりと講じておくことが推奨されています。
(参考記事)情報漏洩を防ぐために、万一のパソコンの盗難/紛失に備えて、BIOS/UEFIとハードディスクにパスワードを!
(参考記事)2段階認証でクラウドサービスのセキュリティをさらに強化
これだけでも利用価値あり! 高精度な「迷惑メール」対応
どこからともなく送られてきてしまう迷惑メール。Gmailならば高い精度で迷惑メールを振り分けてくれます。個人情報を不正に要求する「フィッシング」メールも、高精度に判定して迷惑メールとして振り分けてくれます。迷惑メールの削除などに悪戦苦闘して無駄な時間を消費する事が大幅に削減されます。
(参考記事)これだけでも使う価値あり!Gmailで迷惑メールを撃退!
*迷惑メールの対応については、こちらをご覧ください。
ウィルス/フィッシングメール対策が取られているGmail
Gmailではメールを送信するとき、受信するとき、メールを開く時に、随時ウィルスチェックを行っています。Gmailを経由することでウィルスに感染する危険性が大幅に削減されることでしょう。
またネット上での詐欺行為に用いられる「フィッシング」メールを高い確率で迷惑メールとして判定し、振り分けてくれます。
*Gmailのセキュリティとプライバシーについて詳しくはこちらをご覧ください。
カレンダー、ToDoの連携で生産性の向上
会議の連絡が来たら、「その他」>「予定を作成」で、Googleカレンダーに簡単にスケジュールの登録ができます。
また、「その他」>「ToDoリストに追加」でやるべきことを登録し、業務の進捗管理が行えます。
最近ではGoogle KeepやSlack、Trelloなどとの連携も簡単にできるようになってさらに便利になっていますね。
自動で作成されるアドレス帳:「連絡先」
以前Gmailと一体化されていた「連絡先」は、単独のアプリとなり、その存在を忘れがちなのですが、実はとても便利。
メールのやりとりを続けていくだけで、メールのやりとりをした相手が、アドレス帳となる「連絡先」に自動で登録されていきます。
まずは取り敢えず、メールアドレスと名前だけなのですが、必要に応じて住所、電話番号(事務所、自宅、携帯)、その他メモなどを追加することができます。
さらにはグループごとにラベル付けをしておくと、そのラベル名称をメールの宛先として指定するだけで一斉にメール送信ができてしまいます。
*大量の相手に送付する場合、受け取った側に大量のメールアドレスが表示されないように「BCC」に宛先を指定するようにします。
もちろん連絡先のインポートやエクスポートも可能なので、年賀状の送付用のデータなどとしても使えます。
*連絡先管理ツールについて、詳しくはこちらをごらんください。