今回は、Gmailを利用中に「Googleアカウントの空き容量がわずかになっています・・・」というアラートが出てしまったという時の対応について、いくつかの角度からお届けしたいと思います。
実は、弊社はGoogleの代理店でもありまして、そんな時は「ぜひ、Google Appsの契約をしていただいて追加で容量を増やしていただければ・・・・・」とオススメしたい所ですが。。。(^_^;;;、
Gmailのサービス開始当初は確か2GBの容量だったかと思うのですが、時は流れて今では15GB。とはいえ、この容量はGmailだけではなく、Googleドライブ、Google+の画像、動画の合計の容量となっていることで、Gmailの空き容量が逼迫する事態が起きているようです。
(1)どれだけの容量を使っているかをチェック
まずは、利用中のアカウントがどれだけの容量を使用しているかをチェックしましょう。
Gmailの画面の一番下の左側に、次のような表示があります。
ここの「管理」をクリック。「ドライブ ストレージ」画面が表示され、容量の合計が円グラフで表示されます。
円グラフの部分をマウスでクリックすると、どのサービスがどれだけの容量を消費しているかがわかります。
この例では、Googleドライブが大きく容量を消費してしまっている状況にあります。
このようにドライブストレージの使用状況を確認して使用量を減らす対策をしていきましょう。
(2)なるべくなら、メールは全部残しておきたい。
対応としては3つありますが、以下が私が考える優先順位です。
- Google+の写真、動画の使用量を減らす
- Googleドライブの使用量を減らす
- Gmailのバックアップを取った上で、古いメールを削除して容量を減らす
私の個人的な考えとしては、Gmailには過去からのあらゆるメールを保存しておきたいです。不要なメール以外は全て取っておきたいです。Gmailの容量は年々増加しています。今後も増えていくことを期待して、なるべくなら削除したくありません。
Gmailだけで無料枠を使い切っているわけではない場合、まずはGoogle+に動画、写真が保存されていたり、Googleドライブで大きな容量を使用しているならば、そちらの使用量を減らすことから対応したいと思います。
(3)容量をカウントされないようにする工夫
Google+の場合、画像については、2,048 x 2,048 ピクセルを超えないサイズであれば無料で保存でき、ストレージの容量としてカウントされません。また、動画については15分以内のものであれば容量としてカウントされません。
Googleドライブの場合には、Google ドキュメント、スプレッドシート、スライド形式で保存したファイルについては、ストレージ容量としてカウントされません。
以上の条件を満たすように作業を行っていきます。
(4)Google+の写真、動画の使用量を減らす
スマートフォンやタブレットでGoogle+を使うことで、撮影した写真がGoogle+に「フルサイズのバックアップ」で「自動的バックアップ」されると大きく容量を消費します。
これが知らぬ間にGoogleアカウントのストレージ容量を大きく消費する一因となっています。
パソコンの設定でも同様です。
今一度「Google+」アプリの設定を点検しましょう。
1,スマホのGoogle+アプリを点検
Google+を開いたら、左上の「三」アイコンをタップ。続いて、ギアアイコン(下記画像の赤枠部分)をタップします。
「カメラと写真」をタップ。
「自動バックアップ」をタップします。
ここで「フルサイズのバックアップ」がON(緑色)になっていたら、OFFにします。
これにより、画像がフルサイズではなく、ストレージ容量を消費しない2,048 x 2,048 ピクセル以下の画像に自動的にリサイズされて保存されるようになります。
2,パソコンのGoogle+の設定も点検を
パソコンのGoogle+の設定もチェックしておきましょう。
Google+を開いたら、画面左上の「ホーム」をクリックして、「設定」を開きます。
「写真と動画」のところで、「写真をフルサイズでアップロードする」のチェックが外れた状態にします。
最近のスマートフォン/タブレットのカメラの解像度、PCで扱う画像の解像度は高いので、「フルサイズ」のままの設定になっていた場合、無料で保存できる「2,048 x 2,048 ピクセル」を超えた画像データがGoogle+に多数保存され、ストレージ利用量としてカウントされてしまっていることでしょう。
パソコンのGoogle+でチェックしてみるとわかります。
この例だと、横のサイズが3,264ピクセルと、「2,048ピクセル」を超えており、1枚で2.26MBを消費していることになります。1,000枚であれば約2GBを消費することになります。
#私の場合iPhone5からiPhone6 Plusに機種変更した際に、うっかり「写真をフルサイズでアップロードする」がオンのままでGoogle+を使用してしまい、約1.5GBを消費してしまっていたことに、かなり時間が経ってから気づきました。
3,いったんGoogle+上の写真/動画を削除してしまう
かなり手間はかかることになりますが、フルサイズの写真を一旦全部Google+から削除してしまいましょうか。
削除作業は、パソコンよりもスマホ/タブレットの方が簡単かと思います。
Google+アプリで「フォト」画面を表示させて、画面右上にある✓マークをタップ。
画像のサムネイル上を次々とスクロールしながらタップして選択していき、画面下にある「削除」をタップ。
かなり地道な作業となりますが、これで一旦フルサイズの写真を全部削除してしまいます。
(もっといい方法が見つかったら後々アップデートします。)
4,再度無料枠で画像をバックアップし直す
全て削除し終えたら、Google+の「自動バックアップ」画面に戻って、「フルサイズのバックアップ」がオフになっている状態で、「すべての写真と動画をバックアップ」をタップします。
「写真をバックアップするタイミング」は、「Wi-Fi経由のみ」にしておいた方がいいと思います。かなりの通信量となりますので。
画像データのスキャンが始まります。(しばらく時間がかかります。)
スキャンが終了したら、裏で自動的にスマホ/タブレット内にある写真/動画データが、再びGoogle+にバックアップされます。
今度は、自動的に「2,048ピクセル」以下に縮小されて保存されます。
かなりの時間を要しますが、自宅でWiFiにつながっている状態で、寝ている間などに自動的に戻ります。気長に待ちましょう。
#スマホ/タブレットで撮影した写真/動画については、パソコンにコピーしておけばフルサイズのものがバックアップされますし、フルサイズのものをクラウド上に保存しておきたい場合には、保存容量が比較的大きいMicrosoftのOneDriveにもバックアップしておくといいと思います。
以上により、Google+のストレージ使用量を削減できることと思います。
(5)Googleドライブの使用量を減らす
前述のように、Google ドキュメント、スプレッドシート、スライドで作成したファイルは、保存容量としてカウントされません。
PDF、画像、動画の他、Google独自の形式以外で保存されたファイルが保存容量としてカウントされます。これらのファイルについては、出来る限りOneDriveやBox.netなどの他のクラウド・ストレージサービスに移動させるといいと思います。
なお、最近ではMicrosoft Office形式のファイルをGoogleドライブで読み込んで表示、編集、保存が直接行われているようになっていますが、保存容量としてカウントされてしまいます。
オススメは、MS Office形式のファイルは全てGoogle ドキュメント、スプレッドシート、スライド形式に変換して保存し、MS Office形式のファイルは削除してしまう方法です。以下に手順を記します。
1,保存容量としてカウントされているファイルを確認
まずは、Googleドライブ上に保存されており容量としてカウントされているファイルをチェックしましょう。
画面左下にある「○GBを使用中」と書かれてある部分にマウスを当てます。(クリックの必要はありません)
吹き出しで表示が出たら「ドライブ」と表示されている部分をクリックします。
すると、上の画像のように、ファイルの一覧が「使用中の容量」順に一覧表示されます。
ここにファイル容量が書かれているものが、保存容量としてカウントされているものです。
アイコンが「W」のものはMS Word形式、「X」はMS Exel形式、「P」はPowerPoint形式のファイルです。
2,MS OfficeファイルをGoogle形式に変換
ここでは例としてPowerPoint形式のファイルをGoogle形式に変換してみます。
一覧から対象のファイルをクリックして開きます。
「ファイル」>「Googleスライドとして保存」を選びます。
変換作業中です。
変換が終わると、「P」アイコンのもの(MS Officeの拡張子付き)とGoogleスライドのアイコンの、同名のファイルが2つ一覧に表示されます。
この例では、MS Officeファイルは6MBに対してGoogleスライド形式はファイルサイズは「-」となり保存領域としてカウントされません。
MS Office形式のものは削除してしまいます。
ファイル名を右クリックして「削除」を選びます。
いったん、ゴミ箱に入ります。
左ペインにある「ゴミ箱」をクリック。画面上部に表示される「ゴミ箱▼」をクリックして「ゴミ箱を空にする」を選ぶと、容量が削減されます。
3,Google各形式で保存しておくメリット
ちなみに、Google各形式で保存しておいたとしても簡単にMS Office形式に戻せます。
「ファイル」>「形式を指定してダウンロード」>「Microsoft…..」の各形式を選ぶことで、MS Officeの各形式に変換されたファイルをパソコンにダウンロードできます。その他各種形式にも対応していますので、Googleドキュメント上では、出来る限りGoogle各形式で保存しておくと保存領域としてカウントされないのでオススメです。
4,今後は自動でGoogle各形式に変換させる設定
MS Office形式のファイルをGoogleドライブで読み込む際に、自動でGoogle各形式に変換する設定をしておくと便利です。
画面右上のギアアイコン>「設定」をクリック
「アップロードしたファイルを変換する」にチェックを入れます。
以降、MS Officeファイルが自動的にGoogle各形式に変換され、ストレージ使用量としてカウントされなくなります。
(6)念のためGmailのバックアップを取っておく
Google+、Googleドライブの容量を削減しても、Gmailで無料で使えるストレージ容量が逼迫してしまっている場合にはGmailの容量を減らすしかありません。
その前に、古いメールを残しておきたい場合にはバックアップを取っておくといいでしょう。
Gmailのバックアップを取る方法はいくつもありますが、ここでは2つの方法をご紹介します。
1,Googleアカウントツールを用いる方法
Gmailの画面右上にあるアカウントアイコンをクリックし、その中に表示される「アカウント」をクリック。
表示された一覧の「アカウントツール」から「データをダウンロード」をクリック。
標準では全てが選択されているのでGmailだけを選ぶようにします。「選択を解除」をクリック。
「Gmail」だけを選択します。
一番下にある「次へ」をクリック。
「アーカイブを作成」をクリック。(そのままがオススメです)
アーカイブの準備を行っている画面が表示されます。
容量にもよりますが作業には数時間単位でかかります。
上記のままの設定で、作業が完了すると、メールが届きます。
「アーカイブを管理」をクリックします。
Googleアカウントのページに飛ぶので、ここでも「アーカイブを管理」をクリック。
Gmailをバックアップしたアーカイブの「ダウンロードを表示」をクリック。
#ここに「有効期限」とあるように、各アーカイブには保管期限があるので、期限内にダウンロードする必要があります。
容量に応じてファイルは分割されます。添付ファイルも含まれるので場合によってはとても大きな容量となります。
「ダウンロード」をクリックしてパソコン内に保存します。
ダウンロードしたファイルは「.mbox」という形式のファイルで、Thunderbirdなどのメールソフトで開いて参照することができます。
#メモリーを多量に消費するので、メモリーをたくさん積んだPCでないと厳しいかも知れません。
万一に備える意味でも、このようにしてバックアップを取っておくといいでしょう。
#ただしこのバックアップファイルは暗号化などはされていません。他人でも中身を参照できてしまうので、共有フォルダーなどには置かないように、取り扱いは要注意です。
2,Thunderbirdで全てのメールをローカルに保管しておく方法
もう一つの方法は、メールソフトを使ってGmailの中身を全てダウンロードしてしまう方法です。
メールの受信方式にはPOPとIMAPがありますが、過去のメールの全てをダウンロードするならば、POPが簡単で確実にできると思います。
Gmailの「設定」画面を開き、「メール転送とPOP/IMAP」を開きます。
この中の「POPダウンロード」の「すべてのメールでPOPを有効にする(ダウンロード済みのメールを含む)」にチェックを入れます。
しばらく時間がかかります。
表示が「1,ステータス:すべてのメールに対してPOPが有効」と表示されれば準備完了です。
こちらからThunderbirdをダウンロードし、インストールしておきます。
Thunderbirdを初めて起動させると、次の画面が出ます。
「メールアカウントを設定する」をクリック。
名前、GmailまたはGoogle Appsのメールアドレス、パスワードを入力し、「続ける(C)」をクリック。
「POP3(メールwコンピュータに保存)」にチェックを入れると、自動的にGmailのサーバー設定が行われるので「完了」をクリック。
Thunderbirdのメール画面が表示されたら、左上の「受信」から「新着メッセージをすべて受信(G)」をクリックします。
これで一気に全てを読みこんでくれればいいのですが、Gmailのサーバの仕様で、一回のアクセスで、300~400件くらいずつ受信します。
そのまま何時間も放置しておけば、全てのメールが受信できるのですが、Thunderbirdの初期設定では10分おきにサーバにアクセスするようになっているので、無駄な時間がかなり発生します。アクセスの間隔を短くしたい場合、次のように設定します。
画面左上の自分のメールアドレス上で右クリック。
「設定」を選びます。「アカウント設定」画面が開きます。
「サーバ設定」を選び、「新着メッセージがないか(Y)・・・・」にチェックが入っている状態で、「10」となっている所を小さい数字に変更します。
以上で、Gmailの中身をすべてパソコン内に保存し、Thunderbirdでメールを参照できるようになります。
全てを保存し終えるまでに、気長に待つ必要はありますが、過去のメールの参照、検索などもローカルで行えて便利です。
(7)最後の手段:Gmailの古くて容量が大きなメールを削除する
それでは、Gmailによるストレージ利用容量を削減する方法です。
メールの文面だけであれば大した容量ではないのですが、大きく容量を消費するのは添付ファイルとなります。
古くて容量が大きい、すなわち添付ファイルがあるメールをまとめて削除すれば、効率的に容量を減らせます。
Gmailならそのようなメールの抽出はとても簡単です。
例えば、サイズが5MBを超えるもので、1年以上前の古いメールを抽出する場合、
検索欄に「size:5m older_than:1y」と入力して検索すれば該当するメールが一覧で表示されます。
サイズが10MBを超えるもので、6ヶ月以上前の古いメールであれば、
「size:10m older_than:6m」でOKです。
一覧で表示されたら、「この検索条件に一致するすべてのスレッドを選択する」をクリック。
これで該当するものが全て選択された状態になります。
この状態のまま、上部にあるメニューから「ゴミ箱」アイコンをクリック。
これにより、選択されたものがまとめて「ゴミ箱」に移動されます。
ゴミ箱に移動させると約30日後に自動で削除されますが、すぐには空き容量は減りません。
ゴミ箱を空にするには、Gmailの画面左側に表示されている「ラベル」一覧の一番したにある「開く▼」をクリック。
これで「ゴミ箱」が表示されますのでクリック。
ゴミ箱を開くと画面上部に「ゴミ箱を今すぐ空にする」という表示が出るので、ここをクリック。
以上の要領で作業を行うことで、Gmailの容量がかなり削減できることでしょう。